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石川農民連 水害で取り残されたモミ搬出 精米して被災者に配布(2025年04月14日 第1646号)

能登半島地震と9月豪雨被害今なお

生産続けたい農家が励まし受け農民連会員に

宮岸会長(右)と中村さん

 昨年1月1日、能登半島を襲った地震。
 被害の復旧に取り組んでいた9月には、半島を襲った線状降水帯による大雨で、山崩れと西二俣川の氾濫が発生し、土砂と流木が田畑を埋めてしまいました。
 稲刈りし、乾燥したモミを作業小屋の2階に保管して、順次もみすり作業に取り組んでいる最中に襲いかかってきた豪雨により、床上浸水で乾燥機やもみすり機が水没し、ぼう然となる中で、残ったモミを何とか取り出せないかと行政やJAに相談しましたが断わられました。
 報道を見た能登半島地震共同支援センターの黒梅明事務局長から石川農民連に支援の相談があり、石川農民連は七尾市の法人会員「万行希望の丘農園」の協力も受けて、1回目が3月11日、2回目が19日と輪島市の2軒の農家さんからモミを取り出し七尾市まで運び、合計160キログラムのモミを玄米にすることができました。
 取り出したお米を共同支援センターで白米にして、さっそく仮設に住んでいる地震被災者に配布しています。
 運び出されたモミがお米になってほっとされた輪島市上大沢町の中村和規夫さんは、目の前の田んぼを見ながら、「ここで米作りを続けたい。仲間の2人も農業は続けたいと思っている。何としても農業と漁業を続けたい。個人の力だけでは、復興はできない。国や県・市を挙げてここを守っていきたい」と語ってくれました。
 「私たち農民連は、全国の仲間とともに力を合わせて、日本農業を守り未来に引き継いでいくためにがんばっている組織です。仲間になってほしい」と訴えて農民連会員になってもらいました。
(石川農民連 宮岸美則)