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食料増産に責任を持て! 学校給食へ直接備蓄米を 農民連とふるさとネットが農水省に緊急要請(2025年04月14日 第1646号)

米問題で要請する長谷川会長(こちら向き左から2人目)ら

 農民連と農民連ふるさとネットワークは3月28日、次期「食料・農業・農村基本計画」について緊急に農水省へ要請を行い、食料自給率向上や農家の所得補償、米の価格と需給の安定、新規就農者確保策、食料支援制度の創設などを求めました。
 ふるさとネットの湯川喜朗事務局長は、「学校給食現場では、米不足と価格高騰で米が買えず、給食費の値上げなど、深刻な危機に直面している。仕入れ困難な米屋さんが対応できない。学校や公共の社会福祉施設などに政府が直接届けるための対策が緊急に必要だ」と指摘しました。
 農民連の長谷川敏郎会長は「米価高騰で各地で給食費の値上げが議論されている。これでは備蓄米を放出した意味がない」と訴えました。
 農水省の担当者は「農民連や支援団体の要求で、備蓄米のフードバンクへの拡大ができた」「学校現場の実態も聞いているので、今後調査したい」と回答。農民連は「必要な手立てをすぐにとれ」と強く要請しました。

財政審建議の「備蓄米80万トン」を先取り?

 備蓄米放出で6月末の備蓄米在庫は70万トン程度になり、2025年産米の備蓄米入札もさらに延期しています。長谷川会長は「備蓄米の買い入れも米の増産もない。つまり財政制度等審議会の建議が求めている備蓄米80万トンへの減量を事実上『先取り』しているのでは?」と切り込むと答弁不能になりました。
 群馬県の養豚家、上原正さんは、「飼料用米の使用を減らしてきたが、いよいよ来年には飼料用米もなくなると心配している」と述べました。
 藤原麻子事務局長は、「飼料用米と同時に、加工用米も不足し高騰しており、現場からは『この先どうなってしまうのか』『また値上がりか』と不安な声をたくさん聞いている」と報告。
 さらに、「高齢者や女性など生活弱者から『お米が買えない』と切実な声を聞いてきた。女性相談会では、『ようやく私に米が来た』と言う方がいた。主食なのだから、安心して食べられるようにしてほしい。農水省から『米問題は解決するから安心してほしい』というメッセージを出してほしい」と訴えました。