令和の百姓一揆 日本の農、食、いのち守ろう 都内トラクターデモ30台(2025年04月14日 第1646号)
消費者と農家が連携して 全国で大きな国民運動を
全国から4500人が参加

都会のなかを走るトラクターのデモ

開会あいさつであいさつする菅野代表
「令和の百姓一揆」で日本の農、食、いのちを守ろう!
深刻な食と農の現状を変えようと農家と市民が立ち上がり、「令和の百姓一揆」が3月30日、東京都内で開かれました。主催は、同百姓一揆実行委員会。
集会では3300人、デモはトラクター30台、人の行進は沿道からの応援団含めて4500人が参加。農民連のてい団は450人が歩きました。
百姓一揆は全国14カ所でも同時開催され、各地で創意工夫をこらした行動が取り組まれました。
マスメディアからも大きく注目を浴び、テレビや新聞で大きく報道されたほか、海外メディアも取り上げていました。
農業滅ぼす政治変えるたたかい

注目を浴びた農民連の行進
集会は港区の青山公園で行われ、集会に先立ってトラクターの運転手らが壇上に上り、一人一人が紹介され、決意表明をしました。
主催者を代表して菅野芳秀実行委員長(山形の米農家)があいさつ。「日本農業は崩壊の局面にある。村から農民、作物、村自体がなくなろうとしている。困るのは、農家だけでなく消費者、国民だ。今日の行動で大きな連携を作り出し、農業を滅ぼす政治を変えなければならない。今日は長いたたかいの始まりだ」と訴えました。
地域からの発言で、福島県伊達市から参加した佐藤紫苑さん(福島県北農民連副会長)は、「仲間たちとバスで参加した。今日の行動をきっかけに生産者、消費者の垣根を越えて、国民が食と農に興味をもってもらえればと思う。土は命の源。農民、国民を守ろう」と呼びかけました。
人のデモ行進の先頭でトラクターを運転した静岡県浜松市の農家、藤松泰通さんもマイクを握り、「農業を守ることは、国防であり、子どもたちの未来を守ること。心ひとつに行動し、同じ道を未来に向かって歩こう」と訴えました。
参加した国会議員も壇上に上がり、激励の一言を述べました。
消費者も連帯し大きな希望もつ

寄り合いで発言する長谷川会長
トラクターと人のデモは青山公園から渋谷駅や原宿駅など人々でにぎわう中心街や繁華街を横切りながら代々木公園(渋谷区)まで行進が行われました。途中、沿道から手を振る人や声援が送られ、並走する車からもエールが送られました。
デモ行進後、明治記念館(港区)に場所を移し、まとめの集会「次に向けた寄り合い」が行われました。
今後に向けての意見交換で、農民連の長谷川敏郎会長がスピーチ。
アメリカと財界言いなりの農政を終わらせ、豊かな生態系と自然に恵まれた日本農業をアグロエコロジーで再生するために、「今日の百姓一揆は反転攻勢ののろしを高々と挙げることができた」と指摘。「農民だけでなく、多くの消費者も連帯して参加した。日本の食と農の危機を消費者が“自分事”としてとらえ、行動が広がっていることに大きな希望を見いだした」と述べました。
さらに「国民生活をないがしろにした今の政府に国民の食料・農業政策をまかせることはできない。今日の集会は百姓一揆であると同時に、食料メーデーだ。消費者と連帯し、全国で大きな運動を巻き起こそう」と呼びかけました。
最後に、今後の取り組みについて、元農水大臣の山田正彦さんが「令和の百姓一揆の会」の設立を宣言し、代表を菅野芳秀さんにすることを提起。運営委員会を定期的に開きつつ、「食と農を守るために、東京で、全国各地で具体的な行動を起こそう」と呼びかけて閉会しました。