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鈴木教授熱く語る 迫る食料危機 迫る食料危機 食と農守るネットワークを

北海道・北見

講演する鈴木教授

 4月13日に、農民連北見地区協議会とオホーツク地域自治研究所は、北見市の北見工業大学講堂で鈴木宣弘・東大教授を招き、「農と食のつどい」を行いました。
 「米も野菜も高い」「去年のように米がなくなるのでは」と多くの方々が食に不安を抱いていることもあり、約250人を超える方々が参加し、大きく盛り上がりました。
 鈴木教授は「わが国は世界でも例をみないほど食料自給率が下がり、米やバター不足などの食料危機の原因は農業予算を減らしてきたためだ」「日本農業の現実は農業を続けることが難しくなるほど生産基盤が弱まり、いま農業を立て直さなければ取り返しがつかない事態になる」と指摘。「種から消費まで地域住民ネットワークで地域循環型経済を作り上げよう」などと食と農を守る私たちができる運動の取り組みを話されました。
 「私たちのいのち、暮らし、食と農を守るネットワークを作っていこう」という空気があふれ、共感が広がった講演会でした。私もトマトづくりを通しながら、ネットワークづくりに励んでいきたいです。(北海道・北見地区協議会 酒井眞知子

参加者からの感想

 ●鈴木先生のお話をもっと若い人を含めて大勢に聞いてほしいと思いました。手遅れになって困る人ができるだけ少ないといいなと思います。オホーツクはまだまだ危機感が少ないと感じます。支持する党や考え方が違っても日々ご飯を食べることには変わりがないのでもっと大きい視野で、子どもたちに明るい未来をつないでいきたいとの思いを新たにしました。
 ●想像以上にアメリカからの影響を受けて、今の日本の食料状況があることに驚きました。全て人為的に作られた構造だったのですね。このことをどれくらいメディアは伝えてくれているのでしょうか。
 日本には農業に興味を持っている人が半数以上いることにも勇気をもらいました。消費者が良い選択をできるよう、まず、所得のボトムアップをしなければとも思いました。パートナーと有機農法を一緒にしていけたらと考えます。
 ●参加されている人が多いということで驚きました。農業問題への関心高まっているのかと思いました。直接支払制度で、飼料用米を作付けしていますが、食料安全保障の観点から名付けていくというのは、イメージの転換になるかもしれませんね。日本農業の抱える問題に、日々感じていることを改めて、全体像で見返すことができました。
 ●食料品を買う時は、いつもどこの産地の物かを見て買っていました。これからはさらに良く見て買いたいと思います。国外の物は買わないようにしていました。お肉もいつも北海道産のものと、野菜も地元のものを買うようにしていました。これからもそうしたいと思います。
 ●日本の自動車産業や、アメリカの政策を優先させて日本の食、農業が犠牲になっていると改めて感じた。今においても日本政府は日本人の幸福のために行動しているのではなく何か見えない誰かの利権のために動いているんでしょうね。農家の平均年齢68・7歳は日本の農業改革待ったなしという思いです。人口減・少子化・自治体の財政難など、本当に多くの問題も同時に抱えています。防衛予算を食料安全保障に回せ!! 防衛予算でアメリカを守るのではなく、日本を守ってほしい!