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米農家の時給63円に これでもやっていけない 価格保障、所得補償、直接支払い 実現する農政への転換を(2025年05月26日 第1651号)

 農水省はこのほど、「農業経営統計調査(営農類型別経営統計)令和5(2023)年農業経営体の経営収支」(確報)を公表しました。
 家族農業の米農家平均では、個人経営体(法人経営でない家族農業)の米農家は米を2・2ヘクタール作付けし、年間の農業粗収入は319万6千円、経営費は314万5千円で、農業所得(「農業粗収入」マイナス「経営費」)は5万1千円でした。
 自営農業労働時間は年878時間で、内訳は家族が807時間、雇用者が71時間。そこで5万1000円を807時間で割ると、個人経営体の米農家の時給は「63円」となります。
 雇用者の労働時間も含まれていた21、22年は時給「10円」でしたが、23年の時給「63円」でも、農家の労働が米価にほとんど反映されていないことを意味します。
 これは、市場原理主義、自己責任、大規模化と「合理的な価格」などアベノミクス農政の破綻の結果といえます。
 農家が安心して米を生産し、国民に安定して供給するためにも、家族農業経営を中心に、多様な担い手を支援し、地域農業を再生させ、農家が安心してつくり続けられる価格と所得を実現することが必要です。
 世界の流れである家族農業を応援するために、参議院選挙では、価格保障・所得補償、直接支払いを実現する農政への転換が求められています。