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トランプ関税交渉 米・農産物を差し出すな! 農民連 首相官邸前で緊急行動(2025年05月26日 第1651号)

農家、消費者、自営業者…
各分野から怒りの訴え

「トランプ関税反対!」と声を響かせました

 アメリカ・トランプ政権の一方的な追加関税要求に対して、日米交渉が進められているなか、農民連は5月16日、「米・農産物、食料主権をアメリカに差し出すな!」緊急官邸前行動を行い、急な呼びかけにも関わらず約60人が集いました。

訴える長谷川会長(右)

 農民連の長谷川敏郎会長が主催者あいさつ。「石破首相が日米貿易交渉で米や大豆、トウモロコシ、ジャガイモなどの農産物を交渉カードに差し出そうとしていることに対する抗議行動です。政府として食料主権を断固主張するよう強く求め、国民のみなさんにもアピールしていきたい」と述べました。
 アメリカが米の輸入拡大を日本に求める一方、政府が、米価高騰に苦しむ国民をよそに日本の米を外国に輸出しようとしていることを批判。さらに「令和の米騒動」を経て、米の価格は去年の2倍に高騰し、国民から悲鳴が上がっていることを指摘し、「米不足を作り出した最大の原因は、この20年間で、中小農家が100万戸も米作りをやめざるをえなかったこと。それでも現在の米生産量の6割を支えているのは中小・兼業農家」だと訴えました。
 「今こそ、国内増産で食料自給率を引き上げようの声を大きくし、日本の食と農の危機に対する対策を石破政権に求めよう」と呼びかけました。

食と農守る決意 抗議の訴え続々

 参加者のスピーチでは、農家、消費者、労働者、中小業者、女性団体など各分野から、トランプ関税に対する怒りと食と農を守る強い決意が語られました。
 OKシードプロジェクト事務局長の印鑰(いんやく)智哉さん、全国商工団体連合会事務局長の牧伸人さん、日本消費者連盟共同代表の纐纈(こうけつ)美千世さん、全労連副議長の石川敏明さん、新日本婦人の会事務局長の由比ケ浜直子さん、日本婦人団体連合会会長の小畑雅子さん、農民連女性部副部長の高橋マス子さん(神奈川県農民連、野菜農家)が訴えました。
 東京大学大学院名誉教授の鈴木宣弘さんがビデオでメッセージを寄せました。(各弁士の訴えは次号で詳報)
 政党からは、日本共産党の紙智子、山添拓の両参院議員が駆けつけ、あいさつしました。
 最後に、「日米貿易交渉で米・大豆・トウモロコシ・ジャガイモ・農産物を差し出すな」の緊急署名が呼びかけられ、参加者全員で、「トランプ関税絶対反対」「農産物を差し出すな」「日本の農業・健康を守れ」とコールを響かせました。