トランプ関税抗議 官邸前緊急行動での 長谷川会長のあいさつ 〈要旨〉(2025年06月02日 第1652号)

訴える長谷川会長
5月16日に行われたトランプ関税抗議・首相官邸前緊急行動での農民連・長谷川敏郎会長の主催者あいさつ(要旨)を紹介します。
今日の行動は石破首相が、日米貿易交渉で米や大豆、トウモロコシ、ジャガイモなどの農産物を交渉カードに差し出そうとしていることに対する抗議行動です。そして政府として、日本の食料主権を断固として主張するよう強く求め、また、国民の皆さんにもアピールしていく行動です。
トランプ大統領の一方的な追加関税要求に対し、「日本だけは特別扱いにしてくれ」との交渉が進められています。しかし、この追加関税要求はWTO(世界貿易機関)協定や日米自由貿易協定(FTA)の約束を無視した不当なものです。こんな要求は突っぱね、各国と共同してトランプ大統領にこそ、政策の変更を求めるべきです。
米の輸入拡大を求めるアメリカ
その中で、アメリカは米の輸入拡大を求め、日本政府はMA(ミニマム・アクセス)米の枠の拡大か、SBS(輸入米のなかの主食用)米の拡大か、それとも米関税1キロ341円の引き下げか、何を差し出すか協議中との報道もあります。
石破首相は米価高騰に苦しむ国民をよそに、「もっと日本の米を外国に輸出すれば」などと語っている状態です。
「令和の米騒動」を経て、米価格は去年の2倍に高騰し、国民から悲鳴が上がっています。大商社はアメリカや台湾、ベトナムからの輸入拡大をねらっています。
マスコミは、兼業農家や小さい農家がいつまでも米作りをするから米価が高くつり上げられているなどとお門違いの宣伝の毎日です。政府に至っては、備蓄米放出31万トンで413億円もうけた最大の転売ヤーです。農家から1俵1万2千~4千円で買い入れ、いま2万2千円で販売していますから、政府・農水省がいまも米不足を認めず、米増産を提案しないことで米価が高止まりしています。
米不足を作り出した最大の原因は、この20年間で、中小農家が100万戸も米作りをやめざるをえなかったことです。しかし、それでも現在の米生産量の6割を支えているのは中小・兼業農家です。
どの農作物も自給率引上げを
自民党の森山幹事長は、大豆やトウモロコシは国内生産が足りないから受け入れると表明しています。全く逆です。大豆は自給率7%、トウモロコシはゼロ、小麦とともに国内増産を進めなければならない大事な作物です。ジャガイモも北海道ではジャガイモ・麦・ビートという輪作体系の中心をなすものです。
どの作物も譲れません。国内増産で食料自給率を引き上げろの声を大きくしていく時です。そして、主食の米さえまともに国民に供給できないところまで日本農業をズタズタにつぶした、アメリカと財界言いなりの農政を本気で終わらせる時です。
石破首相はトランプ大統領との関税交渉で断固として対決できないなら即刻退陣すべきです。