小泉・備蓄米劇場は 「米輸入」の大合唱! 米不足つくって外米輸入は許されない(2025年06月23日 第1655号)
生産基盤弱体化の責任は重大

テレビをハイジャックした「小泉ビチク米劇場」。いま、「米輸入」の大合唱です。
価格高騰と米不足は、歴代自民党政府の3大失政の結果です。(1)政府が生産の安定と供給に責任をもたず、農家には減反を押しつけたからです。(2)米農家の時給は10円で、米農家は、2000年以降、175万戸から53万戸へと3分の1にまで激減しました。(3)国内では減反を押しつけながら、ミニマムアクセス米は減らさずに77万トンを輸入し続け、生産基盤の弱体化を加速させた責任は重大です。
米不足をつくった責任は棚に上げ、狂ったように米輸入を言いたてる--こんな無責任は許されません。
しかもトランプ大統領は、日本の米不足につけこんで、“米と農産物の輸出拡大の絶好のチャンス”とゴリ押しをねらっています。
グラス駐日米大使は「米の価格が高騰する日本をアメリカがライスで助けられる」と「親切」の押し売りを公言していますが、大きなお世話、「ライス」など要りません。
いつまでもあると思うな親と米
しかし、世界的な気候危機・食料危機のもとで、国内でゆうゆうと自給できる米まで輸入まかせにすることは正気の沙汰(さた)ではありません。干ばつによってカリフォルニア米の輸入価格が日本米の2倍近くにはね上がったのは、つい2年前です。いつ輸入が途絶えるか分からない--世界の米市場は「薄く」不安定です。
テレビでおなじみのスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は「米の輸入は大反対です。一生懸命日本人に食べてもらいたいと思って作っているのに、いざとなったら輸入すればいいじゃんみたいな流れは絶対良くない」と語気鋭く批判(6月11日、TBS系「ゴゴスマ」)。
タレントのビートたけしさんは、小泉米改革に対し「お父さんの郵政民営化と同じ。日本の農業をアメリカに売り渡すもの」と断じています(6月8日、テレビ朝日)。
世論調査でも、米価格高騰でも輸入を「増やさないほうがよい」は67%で、輸入賛成の27%を大きく上回っています。輸入反対派が最も多かったのは30代で83%、主婦層では75%にのぼっています(「朝日」5月18日)。
米不足の解決は増産で
米不足の解決は増産しかありません。米不足の解決は国政の最大の焦点です。十分な備蓄を確保し、国をあげて米の増産に踏み出すときです。そのために重要なのは--。
(1)破綻した減反政策をやめ、水田の機能を最大限活用して、主食用米・加工用米・備蓄米・飼料用米まで作付けを全面的に拡大すること。
(2)農家が安心してつくり続けられる所得と価格を保障し、消費者には納得できる手頃な価格で提供すること--欧米では当たり前の政策に転換し、若者が喜んで飛びこんでこられる農業に。