アイコン 新聞「農民」

米問題で意見交換 農民連と韓国の農民団体・議員が懇談(2025年06月23日 第1655号)

トランプの輸入圧力に共同して対処しよう

共同声明を発表し連帯を深めました

日韓の農民団体が懇談しました

 農民連は5月27日、農民連本部内で韓国の農民団体代表と韓国進歩党の国会・地方議員らと懇談を行いました。韓国からは、進歩党国会議員のジェン・ジョンデクさん、進歩党全羅南道議員のパク・ヒュンデさん、韓国女性農民会(KWPA)議長のジュン・ヨンイさん、韓国米生産者協会政策委員長のオム・チェンナさんら。農民連からは、長谷川敏郎会長、笹渡義夫副会長、藤原麻子事務局長ら8人が参加しました。
 冒頭、長谷川会長がオンラインであいさつ。島根県邑南(おおなん)町での自らの農業を紹介しつつ、米農家の時給10円、食料自給率38%、穀物自給率28%などの日本農業の実態を示し、離農と高齢化が進んでいることを告発。日本政府が、トランプ米大統領に脅され、農産物を差し出そうとしていることを批判し、「今日の懇談が日韓両国の農業を守るために有意義な交流になるよう期待します」と述べました。

稲作農民の減少 減産強制は共通

 韓国側からは、KWPAのジュン議長が、「コロナ禍や気候危機のなかで、食料主権は守られなければならない。トランプ大統領による輸入圧力、稲作農家の減少など日韓で共通の課題があり、連帯してたたかっていきたい」とあいさつしました。
 進歩党のジェン議員は、「日韓両国民は米が主食であり、農民は高齢化、米の義務輸入、減産強制など共通の苦しみがあり、これらに対して共同して対応すべきです。交流と連帯をさらに進めましょう」と述べました。
 パク議員は、「全羅南道は国内で最も米生産量が多い地域です。韓国では国民の米消費量の12%が輸入米であり、米消費の減少と輸入増が進んでいます。トランプ大統領からも追加輸入を迫られており、ともに対応すべき課題」と語りました。
 韓国側から、資料として配布された新聞「農民」号外と3月30日の「令和の百姓一揆」、5月16日のトランプ関税抗議緊急官邸前行動について質問があり、笹渡副会長が、新聞と映像を示しながら説明しました。
 ほかに、稲作への気候変動の影響、小泉農相について質問があり、丁寧に答えました。
 最後に藤原事務局長が、「今日の懇談をきっかけに連帯を深め、トランプ大統領からの米と農畜産物の輸入圧力に共同で対処し、連帯を深めて食料主権を守りましょう」とまとめを行い、閉会しました。
 両団体は、共同声明を発表しました。(別項)


 韓国進歩党とは 2017年に結成された韓国の左派政党。外交では、米韓同盟の解体と対等な対米関係の樹立、自由貿易体制反対などを掲げる。内政では、多国籍企業と財閥の支配の解体、女性の権利、性的少数者、労働者の権利を擁護、多文化主義などを要求する。