旬の味(2025年07月21日 第1659号)
「熱中症警戒アラート」。近年夏になるとよく耳にするワードだ。私の子ども時代の夏は、朝は少しひんやりとして涼しかった。夏休みには公園でラジオ体操もしていた▼しかし7月に入ったばかりだというのに、朝からエアコンなしではいられない。電気代を気にして扇風機で耐えてみるが、朝日すら日差しが強く結局はエアコンをつけてしまう。とてもラジオ体操などしていられない▼そんな中、私は毎日田畑へ足を運び、たった一人で農作業をしている。自宅から畑まで車で20分以上かかるため、休憩するのも避難場所は軽トラしかない▼しかしこんなに暑いのに、獣害はバッチリあるから気が抜けない。猿、タヌキ、イノシシ、シカ……。山に囲まれているので、山ヒルやアブも出る。それに加えて、農作物も連日の酷暑の影響を多大に受ける▼農作業をしていた高齢者が熱中症で亡くなるニュースをよく見るが、他人事ではない。あの窓を開けていると涼しい風が心地よく吹きこんでいた夏は、もうどこにもない。(1)