軍拡より農業・食料支援を 埼玉県内でフードパントリー(食料支援)の活動する 野田 静枝さん(2025年07月21日 第1659号)
食は国家なり


フードパントリーの品々
参議院選挙では、食料・農業支援よりも軍拡に力を入れる石破・自民党政権に怒りが広がっています。埼玉県内でフードパントリー(食料支援)の活動をしている野田静枝さんがコメントを寄せました。
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全国でフードパントリーやフードバンクなどの食料支援活動が増えていることに悲しく、情けなく思います。とても恥ずかしいことです。
支援を受ける人々も女性や子どもが多く、本来は国が飢えさせない政策をとるべきであり、政治の貧困が弱者に押しつけられている結果だと思います。
いま政府は備蓄米を無造作に放出していますが、災害などの非常時に出すものです。田んぼや畑は荒れ、農家も時給10円を押しつけられています。政府が農業政策を何も考えていないことを意味します。
国は食料安全保障を強調し、かつては“国家強じん化”をうたっていました。国を強くするにはまず食料・農業政策をしっかりと位置づけることです。子どもたちはしっかり食べることで健康な体をつくります。
農業予算は2・3兆円に対して、防衛費に8・7兆円と4倍近くもつぎ込むのは本末転倒です。貧困な食料支援の一方で、軍拡が推し進められることに怒りを覚えます。農業には、食料を生産するだけでなく、環境や景観を保全し、災害を防止するなど、多面的な機能を担っており、これこそが国防ではないですか。子どもたちが満足に食事をとれていない現状を政府は真剣に受け止め、学校給食システムも昼食だけでなく朝食も提供し、夏休みも子どもたちが食べられる食の環境を再構築してほしい。給食センターの職員たちも通年勤務として労働環境を整備してもらいたい。
食料支援は国の事業として「食は国家なり」――この意識をしっかり持ってほしい。