青年部「行動綱領」講座(第2回) 科学の力で農政を動かす分析センターの足跡学ぶ(2025年07月28日 第1660号)

参加者のみなさん
農民連青年部は農民連行動綱領の連続講座第2回を7月9日に開催。農民連食品分析センターの八田純人所長を講師に「輸入食品との闘いから生まれた分析センター~科学を武器にした農民運動の展開~」と題して学習会を行いました。
八田所長は「分析センターは農民連が要求実現のためにたたかうための一つの武器として機能してきた。農民連だからこそ作れた分析センターであるし、大きな成果もあげてきた」とこれまでの歩みを振り返りました。
特徴として、募金を財源に独立した調査が行える機関であることを紹介。アメリカの食料戦略の下で、農作物の自由化が押しつけられ、輸入食品の拡大が進む中で、税関の日本の食品衛生を守る砦というところの機能が大きく歪(ゆが)められたことを指摘しました。
日本で認可されていなかったポストハーベスト(収穫後に使用する農薬)が食品添加物として認められ、米の自由化で輸入された輸入米でコクゾウムシが死ぬなど衝撃的な事件が起こります。「危険な輸入米を消費者に食べさせられない」と、規制緩和の流れを跳ね返すために「科学データに基づいた運動が必要」との思いから分析センターを立ち上げたことを解説しました。
そして中国産冷凍ホウレンソウから国内基準を上回る濃度の残留農薬を検出し、農薬の規制制度自体を変更させたり、JR子会社の輸入弁当の脱税を指摘したりと、市民と農民の目線からデータを発信することで運動を推進してきた事例を紹介し、行動綱領を実践するために分析センターが果たしてきた役割を振り返りました。
参加者からは「消費者の健康や日本の農業を守るために、輸入国の農業や農産物をただ反対するのではなく、科学的に検証してたたかってきた姿に感動しました」といった感想が寄せられました。