アイコン 新聞「農民」

旬の味(2025年08月11日 第1662号)

 私は毎年「収穫体験イベント」を開催しています。この取り組みを始めたのは、生産者と消費者との距離を少しでも縮めたいという思いからでした▼今でこそ多くの方に関心を持っていただけるようになりましたが、30年前は、情報発信の手段も限られ、農業に興味を持ってもらうのは簡単ではありませんでした▼近年では、SNSなどを通じて日々の作業や思いを伝えられるようになり、農業に触れたい、子どもに体験させたいという家庭が確実に増えています。今年の収穫体験イベントには、1千人以上の方に来園いただきました▼特に、土に触れ、作物を自分の手で収穫する子どもたちの笑顔は、私たちにとって何よりの喜びです。こうした体験を通じて、食や自然に関心を持つ子どもたちが、将来農業の道を志してくれれば、私たち生産者にとって大きな希望です▼これからも、農業が「誰かの遠い仕事」ではなく、「自分とつながる大切な営み」と感じてもらえるような活動を続けていきたいと思います。(み)