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高温・渇水 農作物に深刻な影響 災害級の猛暑で川やため池が水なし状態 京都・京丹後(2025年08月11日 第1662号)

少雨で乾いた地面が露出した川

水が干上がった水田

 渇水や暑さで稲や他の農作物の生育などへの影響が深刻です。農水省も対策本部も設置し、今年度、「水利施設管理強化事業」に、渇水・高温対策のための応急ポンプ設置を支援するメニューを追加するなど対策に乗り出しました。全国各地で被害が相次ぐなか京都からのリポートを紹介します。

 深刻な水不足で田んぼの稲が枯れ始めています。7月に入ってからまともな雨が降らず、7月17日以降、わが家の田んぼにも一滴の水も流れてきません。土も真っ白で深いひび割れができ、ポンプを購入してわずかに流れている排水路の水を揚げていますが、3日間動かしても3分の1もあたりません。赤く枯れた稲があちこちで目立つようになりました。
 小さいポンプのため、日に3回、ガソリンを入れます。1日当たり500~600円ぐらいに。
 他の人は、タンクローリーで水を運んでいると聞きますが、5台で10万円。これではやっていけません。すでに、枯れた米をあきらめた農家も出始めました。府議会へも申し入れをしましたが、手立てがたたない状況です。このままでは大幅な減収が懸念されます。
 京都府や京丹後市も大型ポンプの貸し出しなど、対応はしていますが、川もため池にも水がないので対応のしようがないのが現状です。順番を決めて水を流していますが、限界に。
 昔からの言い伝えで、峰山町の最高峰、磯砂山(いさなごさん)の中腹にある、羽衣天女の女池を混ぜくったら雨が降るとのことで、かき混ぜ隊が向かいましたが、まだ効果は出ていません。
 20ヘクタールの米づくりをしている担い手農家も「すでに1ヘクタールはあきらめた。こんなことが来年も続くようなら、米作りも続けられない」と肩を落としています。
 災害級の猛暑で、水稲共済や持続化給付金など、離農を食い止める支援策が求められています。
(京都農民連書記長 安田政教)