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農民連税対部 税制改正の学習会 オンラインで開催(2025年08月25日 第1663号)

主に給与関連で大きな影響 今後の運動次第で税制変更もありうる

講師を務めた佐伯税理士

 今年の税制改正で基礎控除や給与所得控除などが変更され、特に従業員・専従者の年末調整など給与支払いに大きな影響がでます。
 農民連本部税対部は7月29日、学習会「所得税の基礎控除見直しでどうなる?」を開催。「税理士法人東京南部会計」の佐伯和雅税理士を講師に招きました。

103万の壁どう変わったか

 基礎控除の10万円増額と給与所得控除の最低額の増加が行われ、所得税の課税最低額が123万円に引き上げられた一方で、住民税や健康保険料は変わっていないことから、住民税と所得税の課税限度額の差が大きくなっています。

特定親族特別控除が新設に

 「特定扶養親族」とは、19歳以上23歳未満の子どもなどが該当します。特定扶養親族(子)の収入が150万円以下であれば、その扶養者(親)は特定扶養控除(63万円)と同額の「特定親族特別控除」を受けることができるようになりました。この場合、被扶養者本人も所得税は発生しません。
 給与収入150万円超の場合は特別控除が段階的に減り、188万円超で控除がなくなります。

配偶者控除の変更点は?

 給与所得控除の最低保障額の引き上げにより、配偶者の給料が160万円までは配偶者控除(38万円)が満額適用され、160万円を超えると配偶者特別控除となり、控除額が段階的に引き下げられます。配偶者控除は、納税者本人の所得金額によって変動するので注意が必要です。

さらなる減税に注視が必要に

 佐伯税理士は「7月の参議院選挙で憲政史上初、衆参両院で少数与党となったことから現在の限定的な所得税減税から、さらなる減税もありえます」と指摘。野党と一部与党が消費税減税を掲げたことから消費税減税も進む可能性があることを指摘し、「来年以降も大きな税制改正が起こりそうですので、継続的に学んでいきましょう」と呼びかけました。
 佐伯税理士の呼びかけ通り、運動次第ではさらなる減税を勝ち取るチャンスです。消費税廃止各界連絡会の消費税減税とインボイス(適格請求書)廃止を求める署名を大いに広げましょう。