鳥インフルエンザ流行 鶏卵不足どうする? 寄稿 埼玉農民連会長 立石昌義 (2025年09月01日 第1664号)
ワクチン接種導入で殺処分鶏を減らし卵価高騰抑えられる
噴霧吸引させる方法が効率的で最適
昨今、スーパーに行っても米がなく、米があっても卵がない異常な状態が続いています。しかも、いずれも価格が高騰しているのが現状です。
8月19日、農水省は高病原性鳥インフルエンザの感染を予防するワクチン接種の導入に向けての検討に着手しました。
近年、鳥インフルエンザの発生頻度が増えていることを受けて、これまで実施してこなかったワクチン接種導入に向けた技術的な課題を洗い出し、殺処分鶏を減らし、自治体の作業負担や鶏卵価格の高騰などを最小限に抑える狙いがあるとしています。(8月20日付日本農業新聞)
埼玉農民連は、ここ数年にわたり県と国にニワトリに鳥インフルエンザワクチンを接種することを求めてきました。
世界のニワトリの飼育数は、中国が最多で約52億羽、インドネシア37億羽、パキスタン18億羽…日本1億羽です。
日本での採卵鶏の殺処分数は、全飼養数の6・5%、841万羽で価格高騰の原因となっています。
鳥インフルエンザは世界中で流行しており、アメリカでもスーパーで卵不足となりトランプ大統領が韓国とトルコから輸入したとテレビでも述べていました。
鳥インフルエンザワクチンの接種についてですが、1羽1羽接種するのではなく噴霧吸引させる方法が効率的で最適だと思います。
人に接種する新型コロナワクチンもインフルエンザワクチンも注射によって血中に、免疫グロブリンの一つ、IgG抗体を作るもので、感染阻止には役立たず重症化させないためのものです。
コロナウイルスもインフルエンザウイルスも侵入部位は呼吸器粘膜上皮に局所感染するもので、粘膜上皮へのウイルス感染阻止にはIgAを中心とする気道の局所免疫が最も有効です。
人の子どもも注射を嫌がるので、最近ではワクチン注射に代わって吸引させるのが一般的になりつつあります。