仮設住宅が床下浸水被害 土砂崩れや路面陥没も 石川 能登半島豪雨(2025年09月01日 第1664号)

草が生い茂る耕作されていない田んぼ

仮設住宅の階段ギリギリまで水が迫る

まだ片付けられていない倒壊家屋
全国各地で渇水と同時に豪雨被害も深刻になっています。一昨年の地震と豪雨被害の被災地、石川県能登半島地方は8月6日から12日にかけて雨が降り続き、各地で大きな被害がでています。
今回の豪雨では、地震の被災者向けに県などが建設を進めてきた仮設住宅が浸水しました。
能登半島は、200メートルほどの丘陵の山が半島の尾根に続き、川も幅の狭い流域の短い川が多く、大雨のときは丘陵地を一気に流れ下り、被害をいっそう大きくしています。
石川県珠洲市では、地震の被災者が暮らす仮設住宅で、73戸の床下浸水が発生しました。同市の小学校グラウンドに整備された仮設住宅団地では、最も深いときで30センチ程の水がたまり、床下浸水が30戸あったといいます。
今回の豪雨災害では、国道249号の輪島市中屋トンネルの出口付近で、のり面崩壊、七尾市中島で路面陥没などの被害がでました。さらに、土砂崩れなどで県道6カ所が通行止めになりました。
地震で被災した人たちが入居する仮設住宅について、石川県は新たな住まいの工事が間に合わないなどやむをえない理由で退去できない場合は、入居期間を最大で1年間延長すると発表しました。
共同支援センターで物資運び、被災調査 富山県農民連水越副会長が現地入り
地震被害のつめ跡が今も 復興に程遠い実態に怒り 地震被害のつめ跡が今も
8月10日から12日までに発生した大雨被害に対し、能登半島地震被災者共同支援センターの黒梅明事務局長ら3人で被災地調査を行いました。
石川県羽咋市をでて国道249号で七尾市から穴水町、珠洲市、輪島市を通り羽咋へ戻るコースでした。
249号のうち、七尾市中島町では大雨によって、通行止めの箇所が発生。う回しながら、穴水町へ向かいました。
穴水町付近の川は、まだ濁っており、護岸の土のうも一部崩れている箇所もあり、川の水がギリギリまで上昇していたことがうかがえました。
北陸農政局要請の際も、能登地域は400ヘクタールの水田のうち、100ヘクタールの作付けになっていると話していましたが、耕作されていない水田は草が生い茂っていました。
珠洲では、地元農家の方の案内で、仮設住宅2カ所に立ち寄り、共同支援センターから運んできた米などの支援物資を届けました。
仮設住宅は、川からも近いため、今回の大雨でもかさ上げしている階段上部ギリギリまで水が上がってきたと言います。
地元農家のご夫婦が声をかけあって、困りごとを聞き取りしていましたが、地震からの復興にはまだ遠い状況でした。
対話活動はあまりできませんでしたが、車窓から見える風景は地震から1年半経過したにも関わらず、まだ片付けられていない家屋が残り、言葉にできない怒りがわいてきました。まだ復興には程遠いことを実感しました。
(富山県農民連副会長 水越久男)