原発の新規建設は撤回を! 福島・生業訴訟原告団 関西電力 福井県美浜町に抗議・申し入れ(2025年09月08日 第1665号)

会見する服部さん(右)と中島団長
関西電力は、福井県の美浜原発で新規建設に向けた調査を開始すると発表しました。森望社長は、「国の第7次エネルギー基本計画で原子力の活用が示された」と国の姿勢が後押ししたことにも言及しています。
福島第一原発の事故後、原発の新規建設への動きが具体化するのは初めてです。
こうした動きに対し、「生(なり)業(わい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)原告団は、関西電力、福島県、美浜町に対し申し入れを行い、撤回を求めました。
生業訴訟原告団長の中島孝さん、福島県北農民連の服部崇事務局長らは、大阪の関西電力本社と福井県美浜町を訪れ、要望書を手渡しました。
福島は回復できない現実にあえいでいる 中島団長のコメント
福島原発事故の被災者は、「人生が終わった」と言います。原発事故で、ただ単に職や住まいを失うのではなく、人間の生きがいや、満足感、誇りなどの尊厳そのものを失ったからです。
関西電力は、「安全対策を全力でやります」と弁明しますが、「安全です」と言い切れないのです。もし再び原発事故が起これば、経済的にも日本への影響は甚大です。
原発にしがみつく電力会社は、福島の実態から目を背け、自分こととして考えず、恐れないのです。
巨額な費用がかかる安全対策はやり切れるわけがありません。しかし、原発を動かす人々は、福島原発事故は、「想定外の災害規模だから防げなかった」という最高裁判決で逃げ切れたから、自分もなんとかなるという甘い考えでいることが問題です。
福島は14年経っても、回復できないであえいでいるという現実は、変えられない事実です。それを無視して、社会にプラスになることは何もないと思います。