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お米屋さんと生産者の交流会 東京会場 農民連ふるさとネットワーク(2025年09月08日 第1665号)

生産者・消費者・流通業者が力合わせ食料主権の発展を

あいさつする根本代表

 農民連ふるさとネットワークは8月24日、東京都内で「お米屋さんと生産者の交流会」を開催し、米屋さん25人、産地は秋田、宮城、山形、福島、新潟、千葉、茨城、静岡、長野から出席し、オンライン含めて合計約70人が参加しました。
 ふるさとネットの根本敬代表が主催者あいさつ。「食料危機は日本や人類の生存にとって脅威になっている。1996年に“食料主権”という考え方が登場し、持続可能で、健康で文化的な食料生産を確立するために、生産者、消費者、流通業者が力を合わせ、世界的な運動を展開してきた。私たちはこの交流会を20年以上続けてきた」と振り返りました。
 さらに「食料主権を確立するのは、市場でなく、生産者、消費者、流通業者の運動でありこの交流会だ。食料主権に向けた歩みを止めてはならない。さらに展開し発展させるために、ともに取り組んでいこう」と訴えました。
 湯川喜朗事務局長が、2025年産の米情勢とふるさとネットの販売の方向性について報告。米不足と価格高騰を招いた政府の失政を告発し、備蓄制度を破壊して、輸入米に頼るしかない米政策を批判しました。
 日本の米生産を守り、政府が米の需給と価格に責任をもつ米政策への転換を求める農民連の立場を説明し、一緒に取り組んでいくことを呼びかけました。

減収・品質低下への不安相次ぐ

 産地からは、害虫被害や生育・品質状況、価格について詳しく報告がありました。
 【千葉】作柄は良好で悪くない。概算金が3万円超えに。生産者が求めているのは再生産ができる安定した米価。生産者とお米屋さんが協力して国に本気の対策を求める運動をしよう。
 【新潟】山間地域では、水不足で枯れるほ場も出ており、かなり厳しい状況。7月の追肥が溶けず、8月中旬の雨でやっと溶けたが、背丈が短い。良し悪しが二極化しており、総じて減収が予想される。
 【山形】昨年からカメムシが出ており、越冬しないはずが、しており害虫被害が心配。高温と一発肥料で出穂前に葉伸びしたほ場がたくさんあり、収量は低下傾向か。
 【長野】カメムシ・高温障害の影響あり。白毛餅の値上げが必要だが、消費者に理解されるか不安。
 【宮城】飼料用・加工用米から主食用に転換した農家が多数ある。
 【福島】クビアカツヤカミキリが東北にも飛来しており心配。夜温が高く、品質低下の懸念。
 【茨城】カメムシが平年の5倍以上発生。色彩選別でも2等米など、収量と品質悪化を懸念。
 【静岡】直売所で新米5キロ5千円で販売されており、価格高騰で困っている。