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食と農を守る世論広げて 徳島県農民連 講演会に母親大会に大車輪(2025年09月29日 第1668号)

 8月30日、徳島県農民連は板野町の町民ふれあいプラザで、「食と農、農村を守るために私たちは何をすべきか」の講演会を開催しました。
 事前に8千枚のチラシを新聞折り込みで配布し、地元紙でも告知。手分けしてJA県中央会や各団体を訪問して参加を呼びかけました。
 県連の川人義朗会長が開会あいさつ。米の高騰と不足、異常気象などで農業者を取り巻く状況が厳しくなっていることを述べ、価格保障、所得補償の必要性を訴えました。

 

JA県中組合長 来賓として参加

県JA組合長が参加するなど注目を浴びた講演会

 参加者にむけて、全国農民連の長谷川敏郎会長が、1時間余の講演を行いました。質疑応答でも、ニュースだけでは分からない、裏の裏の話まで解説しました。
 JA徳島県中央会代表理事組合長の橋本浩さんが、来賓としてあいさつし、最後まで聴講しました。2人の地元の議員も参加しあいさつ。今後の農業問題について、ともに県民、国民のためになる活動に取り組んでいただくように、県連からもお願いしました。
 30代の会員が友人を誘って3人が参加するなど、参加者に大きな広がりがみられました。
 講演会を通じて、食と農を守るためにも政治を変えなければならない、そのためにも農民連がもっと力をつけ、知名度をあげなければならない、そんな思いを強くしました。

(徳島県農民連 高原久美)

 

=参加者の感想=
おいしい米作り 農家に感謝感謝

 「今回初めて専門家の方のすばらしい講義を受けて、大変勉強になりました。テレビ・マスコミで知っていたことがいかに誘導されたものか分かりました。おいしいお米を作ってくれている農家に感謝です」
 「アグロエコロジーの大切さがよく分かりました。気候危機で食を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。農業は、被害を受けますが、加害の側もあると思います。なにか、気候危機に対して行動すべきだと思います。その一つがソーラーシェアリングだと思います。このことについての考えを聞かせていただきたかったと思いました」

 

県母親大会も分科会担当 長谷川全国連会長が助言

分科会で講師を務める長谷川会長

 8月31日には、徳島市のあわぎんホールで第65回徳島県母親大会が開催されました。県連は、「食卓から米が消える」をテーマに、第2分科会を担当しました。38人の参加者で会場は満員になりました。
 助言者の長谷川会長が、30日に続き、講師を務めてくれました。
 なかでも特に興味を引いたのは、「乾田直播(は)」方式についてでした。
 これは、テレビの羽鳥モーニングショー出演の、玉川徹氏が盛んに宣伝していましたが、政府が目指す農業の一つのあり方としての裏事情があるということがわかりました。
 母親大会実行委員会では、毎年恒例で県交渉を行いますが、その申し合わせ事項として、次のことを決めました。これをもとに多くの団体とともに県交渉を行うことにしています。

 

団体の県交渉 申し合わせ事項

・農家が安心して生産し、国民が安定して消費できる政策に転換するために、価格保障・所得補償の実現を求める。
・農業の多面的機能への直接支払いについて、国民的合意を望む。環境保全の対価実現へ力を尽くす。
・新規就農者対策及び、耕作放棄地の対策を求めていく。
・それぞれの地域の特性を生かしたアグロエコロジーの実施で、環境を守り、生産性を向上させる。
・地域自給率を品目ごとに高めるために作付面積と作り手を増やす。