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何かあったら、農民連に相談だ 失敗があっても挑戦は楽しい!(2025年09月29日 第1668号)

今年7月に加入した  
山下 晋平さん(41)
泉南市で多品目の野菜を栽培

 「なにかあったら農民組合に相談しようと前から思っていました。地域の人も加入しているのは知っていたので、いつ入ろうかと思っていたのです」と笑顔で優しく語るのは、阪南支部協議会に7月に加入した山下晋平さん(41)=泉南市=です。

 

多品目栽培へ経営を転換

 山下さんの地域には、青ネギの加工企業があり、根の部分をカットした青ネギを契約栽培していました。収穫したネギの清掃作業の委託を10人程度の方にお願いしていました。しかし、高齢化で委託の確保も難しく、栽培も連作障害や温暖化で年5回収穫できたネギが2回に減るなど、苦労は尽きませんでした。
 収量を確保するため、栽培面積を増やして対応しますが、そうなると肥料や燃料費などの経費は増えます。しかし、ネギの買取単価は20年来上がらず、経営の難しさを感じていました。
 「この経営をいつまでも続けられない」と多品目栽培へ経営を思い切って転換し、今では、年間30品目の野菜を栽培。販路は、民間の直売所への出荷をメインに、インスタグラムでつながった方には直接販売しています。

 

直売所出荷で新しいアイデアも

 新しい挑戦には、失敗はつきものです。1年目からハウスのアスパラが出てこないなど苦労が続きました。そうした中でも、直売所に自ら出荷・陳列し、消費者に喜んでもらいたいとの思いから、新しいアイデアも浮かびます。「秋にトウモロコシを出せたら面白いかな」など、試行錯誤を続けています。
 山下さんは、「誰もやっていないことに挑戦することは、とても楽しいです。多少失敗しても自分が楽しんでいるので、全然苦ではないです」とポジティブです。

 

地域に根ざした農民組合を信頼し入会

 山下さんの地域では、農民組合員や粂(くめ)雄二副会長らが居住しています。
 地域の組合員から、農業や行政制度に関する情報はよく聞いており、「農民組合では、制度も知れるし、いつ入るかな」とタイミングを見計らっていました。コロナ禍の持続化給付金申請や、台風被害の補助金など、申請の壁にあたり、交付を受けられない経験もあり、「農民組合であれば、行政制度をしっかり利用できる」と粂副会長に相談し、入会しました。

 

感想を励みに

 工場に出荷していた時は、消費者とのつながりがありませんでした。
 今、直売所やSNSでつながった消費者に直接販売するようになり、「ありがとう」「おいしかった」など感想のダイレクトメッセージがたくさん届くようになり驚いています。こうした声を励みに、よりおいしいものをいっぱい作って、食べてくれる方から、「ありがとう」と言ってもらえる農産物を作っていきたい、と今後の抱負を語っています。