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反ワクチンに疑問 感染症防止に一定の役割 埼玉農民連会長 立石昌義(2025年10月06日 第1669号)

寄稿

 アメリカ共和党のロバート・ケネディ・ジュニア氏、日本の参政党は反ワクチンを掲げている。
 アメリカでは、小児の感染症で最も恐ろしい麻疹(はしか)感染を阻止するためのワクチンを接種しない親が増えているという。
 ワクチン未接種で感染すると、重篤になり死に至ることがある。麻疹は空気感染し、例えば10人の集まりで一人の感染者がいれば瞬時に全員が感染する。最近、海外からの日本への渡航者の中に麻疹感染者がしばしば発見され、ニュースになっている。
 ケネディ氏も参政党の人たちも、小児の時に麻疹ワクチンを接種しているのではないか?
 感染症で人類が撲滅できたのは、天然痘(ほうそう)だけである。
 予防接種には、定期接種と任意接種があり、定期接種は公費で賄われる。接種するかしないかは自由で罰則があるわけでないが、小児に接種しなければ親の責任が問われる。
 小児には、ジフテリアや今問題になっている百日咳(ぜき)ワクチン、麻疹・おたふく風邪や風疹ワクチン等がある。おとなや高齢者は、任意接種だが肺炎球菌や帯状疱疹ワクチンがあり、一部公費の補助がある。
 人類は多くの経験と医学の進歩により数々のワクチンを開発し、今日の人類の繁栄があるのではないか。
 また、家畜やペットも感染症から身を守るためにワクチンが接種されている。
 ワクチンは生物学的製剤なので、副反応を除去するために絶えず改良が加えられており、安全を確保する努力が懸命に続けられている。