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憲法共同センター第12回総会 排外主義反対!共生社会をめざす運動を 憲法を守り・生かす取り組みを進めよう(2025年10月06日 第1669号)

講演する佐々木教授

 憲法共同センターは9月17日、都内(オンライン併用)で、第12回総会を開き、41人が参加しました。
 自由法曹団の山口真美幹事長が主催者あいさつ。「アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領が同盟国に軍事費増額の圧力をかけている。日本でも軍事大国化、ミサイル基地化が進んでいる。日本がすべきことは、外交と対話の努力を尽くす、戦争を防ぐため平和の枠組みを構築することだ」と指摘。「右派・ポピュリズム勢力の危険性を明らかにし、既存政治を批判する国民の声に応える取り組みが求められている。本日は学び、交流・議論し憲法を守り、生かす取り組みを進めよう」と呼びかけました。
 日本共産党の山添拓参院議員が情勢報告。「安保法制が強行されて、集団的自衛権容認、敵基地攻撃能力保有、武器輸出解禁など平和国家を投げ捨てた10年だった。今こそ安保法制廃止の必要性が強まっている。歴史の逆行を許すのかの岐路にある。前進の方向に進めるために今ががんばり時だ」と指摘しました。

 

軍拡競争に抗し憲法守る運動を

 「世界政治のゆくえ--軍拡競争とポピュリズムの台頭にどう立ち向かうか?」と題して、新潟国際情報大学国際学部の佐々木寛教授が記念講演を行いました。
 日本政治の危機として、立憲主義・平和主義の破壊と国家主義をあげ、「安保法制強行採決から安保関連3文書閣議決定の後、軍需産業支援法、経済安保法、能動的サイバー防御法、日本学術会議法人化法など矢継ぎ早に法案ができた。アメリカ兵器の爆買い、GDP(国内総生産)比2%の軍事費、これにスパイ防止法ができれば、戦争できる国への準備は万端だ」と述べました。
 他に、3・11東日本大震災・福島原発事故から10年経ってもエネルギー転換できていないこと、報道の自由度世界ランキングで日本が70位(2024年)となり、G7で最低であること、学問の軽視(専門家の政治利用)とマスメディアの堕落をあげたほか、裏金問題など政治の腐敗を告発しました。
 最後に、「危機の語源は、分岐点。『危機』の認識は、『チャンス』でもある」と述べ、それに対抗する例として、世界中に拡大する反戦デモの様子や国境なき医師団、ペシャワール会の取り組みを紹介。憲法前文や憲法97条(基本的人権の本質)を示し、「外交も民主主義も、国民・市民がつくるものであること」と述べ、市民と野党の共闘で選挙戦に勝利した取り組みの意義などを強調しました。

 

9条改憲阻止へ共同を広げよう

 全労連の五十嵐建一常任幹事が議案提案。1年間を振り返り、切実な諸要求と憲法との関係についての論議や学習を強め、地域、職場、学園で憲法を守り、生かすための学習や宣伝行動に取り組み、「排外主義・極右勢力の伸張」を許さず、共生社会をめざす声と運動のうねりを作りだすために力を寄せ合うこと、戦争する国づくり、「9条改憲」阻止の一致点で共闘の前進・発展に力を尽くすことなどを提起しました。
 取り組みの交流では、4人が発言しました。