農家の声を集めて行政に直接訴えよう 農民連は地域の農家の守り手(2025年10月06日 第1669号)
水不足対策で奔走中
秋田市農民組合
秋田県農民連事務局長・秋田市農民組合事務局長 鈴木 一さん
田んぼを視察する長谷川会長(右)
秋田市農民組合では、この間、水不足対策をきっかけに行政への働きかけや、学習会などにとりくんでいます。
秋田市農民組合の三役全員が秋田市役所に出向き、農業農村振興課の課長さんに水不足対策の「緊急要請」を行ったのは8月1日でした。
前日の地元新聞の記事で、「県内の横手市では水不足対策として、揚水ポンプの購入費や光熱費の半額補助の申し込み受け付けを、7月30日から始めた」とありました。
その日、偶然にも私の家の前にある水路組合の共同揚水ポンプ小屋前に、市の職員が2人来て、水田の状況調査をしていました。「市の水不足対策はあるのか」とたずねると、「まだない。そのための調査をしている」と言われました。今頃になって調査なのかと思って「横手市では対応されているのに、秋田市は残念だなぁ」と話したばかりでした。
夕方、農民組合役員のみなさんに連絡し、状況確認と翌日市役所に行くことを決めました。しかし自分たちだけで行ったことはなかったので、知り合いの議員さんに協力をお願いし、同行してもらえることになりました。
緊急要請文は、秋田市長あてとし、内容は横手市と同等に対策を取ることを求めました。以上は、8月25日付新聞「農民」に掲載された通りです。
一人で嘆かず、力を合わせて
市の担当者も「農民」の読者に
市に要請する秋田市農民組合のみなさん
8月23日には、全国連の長谷川敏郎会長から「アグロエコロジー」を学ぶ会の講演をしていただき、翌日は農民組合の組合長さんの田んぼを視察していただきました。
まさしく水不足による生育状況の悪化がわかるものでした。赤茶けた稲と不稔と思える青くまっすぐな穂と丈の短さは、暑さと水不足に耐えてきた姿でした。
農家個人では、悔しさや嘆きを誰にも言えず、一人で落ち込んでいるだけです。はけ口さえ見つけられないでいるのだから、今回のように市役所に直接訴えられたらいいなと思いました。
そのためには、自分たちの活動をわかってもらえるように行政のトップの方にも新聞「農民」を購読してもらい、よく読んでもらうこと、そしてもう一つには、秋田市農民組合と定期的に懇談してもらおうと、あらためて市役所を訪問することにしました。私一人では無理なので、また知り合いの市議会議員さんに同行をお願いし、「産業振興部の部長さんは、いい人だよ」と言われたので心強く思えました。
9月議会が始まった初日でしたが、部長さんと次長さんの二人と面会することができ、二つのお願いを訴えてみたところ、快諾をいただきました。本当にうれしかったです。
今までは、秋田市革新懇さんの協力のもと「農家の声」を市に訴えてきていましたが、直接担当部署に訴えていけることになりましたので、議員さんとも連携し、要求実現のために努力していきたいと思っています。

