四国農民連研究交流集会開く in高知 米づくり、学校給食で学習(2025年10月20日 第1671号)
4県連からも多彩な取り組み
10月4、5の両日に「四国農民連研究交流集会inこうち」が高知市で開催され、4日には、米づくり、学校給食の2つのテーマで学習・交流し、50人が参加しました。
米作りの始まりは基盤整備
野村さん
土佐市西部に位置する岩戸地区で生産される「土佐岩戸米」は、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」の早場米部門で5年連続金賞を受賞。い草の産地だった岩戸地区が、地域の営農を維持していくため米作りに励み、ブランド米に育て上げた30年間の取り組みを土佐岩戸米営農組合の野村和仁副組合長が報告しました。
野村さんは、「始まりは30年前の基盤整備だった」と振り返ります。当時から、岩戸周辺地域が一緒になって県外視察研修を行い、完了した1998年から生産者が協力して米作りを本格化していきました。
ブランド米に挑戦
2007年にブランド化するための「土佐岩戸米研究同志会」を発足。まずは「おいしい」の基準は何だろうと、食味機で検査し生産者同士で点検していきました。さらに、他産地との差別化を図るために、化学合成農薬の使用回数を減らした特別栽培米に組合員全員で取り組んでいます。生産者の熱意を一つにして、消費者に認めてもらえるように、生産者同士で教えあいながら進めてきました。土佐市長とも懇談し、市内の小中学校の給食に年間3万キロの米を供給しています。
昨年、米の価格が高騰する中、土佐市は補正予算で上乗せをして対応しました。野村さんは「いくらコンクールで金賞をとっても、消費者は得点で食べるわけではない。生産者が自信をもって生産し、下支えがある環境の中で今後もおいしいお米を届けていきたい」と話していました。
米飯給食は週4・5回
高知県では、間もなく全市町村の小中学校で完全米飯給食が実施されるようになります。昭和60年頃まではパン給食が主だった県内の給食が、米飯給食を週4・5回にしたことで、地場産利用の活用が広がっていることを、高知県学校給食会事務局長の塩井真由美さんが報告しました。
地場産活用60%目指して
塩井さん
高知県では学校給食地場産活用60%を目指し各自治体が工夫を凝らして取り組んでいます。農業高校で生産された食材利用や、農薬や化学肥料を使わない米や野菜を使用する自治体もあります。学校給食会では地場産活用率を上げるため、地場産物を活用した加工食品の開発を進めています。23年度は58・6%、24年度は米の供給が確保できなかったため、56・4%となりましたが全国でも活用率はトップクラス。物価高騰の中でも学校給食会が食材の確保と流通に役割を発揮していきたいと塩井さんは話していました。
仲間づくりと運動を交流
森井さん
5日は、各県から取り組みが報告されました。
香川県では6月に「食と農の希望を切りひらくつどい」を開催し、250人が参加。9月には県要請にむけて、対話活動をする中で会員を拡大しました。福井利夫事務局長は、「要求を聞き取る対話を広げていきたい」と報告。愛媛県では、新聞「農民」愛媛版で地域の情報を届けています。食健連のグリーンウエーブ行動では農協キャラバンと自治体訪問を行って要望をまとめて県知事へ要請していきます。
高知県では、税金学習会を3人で分担し、11地区(1地区3回が基本)で開催し、この取り組みの中で、新しい仲間を増やしていきたいと発言。
徳島県では、月1回の役員会の定例化と税金勉強会を継続しています。阿波支部では、農業用水の高騰対策、害獣問題などを市に要請を行っています。高原久美事務局長は「集金体制を確立させるために繰り返し話し合う中で、県連の財政の健全化ができた」ことを報告しました。
森井俊弘・四国ブロック協議会会長(愛媛県連会長)は、「さらに活動を広げて来年の香川県での交流会に集まりましょう」と呼びかけました。

