女性による女性のための相談会が報告会開催 女性の生活困難は今なお深刻化(2025年10月20日 第1671号)
コロナ後は相談内容がより複雑に
コロナ禍最中の2021年3月の第1回を皮切りに始まった「女性による女性のための相談会」が、今年8月に第10回の開催を迎えたのを機に、これまでのとりくみを振り返り、現状や課題を考える報告会を10月3日、東京都内で開催しました。(写真)
コロナ禍では、サービス業などで仕事を失う女性が急増する一方、困窮者の支援活動の中でDV(ドメスティック・バイオレンス)や「住まいを失い、入浴できていない」など「男性には相談しにくい」女性特有の悩みが数多く寄せられました。こうした悩みに、支援する側とされる側の垣根を作らず、「女性が安心して相談できる居場所を」と、女性相談会の実行委員会が立ち上がりました。
同実行委では、「受付」「相談」、相談者にお茶や軽食を提供する「カフェ」、食料や生活物資を提供する「マルシェ」など、7つのチームに分かれて、相談会を開いています。
相談内容を聞き、法律や医療などより専門的な相談につないで対応している「相談」チームからは、この間の相談内容の変化などが報告されました。10回の相談会ではのべ1218件の相談が寄せられ、コロナ禍では失業や労働問題などが多く寄せられました。
しかしコロナ後は家庭や家族関係で悩みを抱えている人や、過去に性暴力やいじめを受けても、十分な公的・福祉的ケアを受けることなく、解決されないまま精神的疾患を抱え、生きる困難さと困窮に苦しんでいる、といった複雑な相談が増えていることが報告されました。
「マルシェ」のチームからは、農民連女性部からの農産物の他、労働組合の支援によるレトルトなどの加工食品、企業からの生理用品なども提供されていることが報告され、「買い物をするように自分の欲しいものを
“選んで”心も満たせることがマルシェの役割」と、強調されました。
次回の「女性相談会」は12月14日に都内で開催されます。

