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農薬について知りたい 食と農を守る共同を呼びかける 主婦連で八田所長(食品分析センター)が講演(2025年11月03日 第1673号)

“子どもの尿から農薬”にビックリ!

講師の八田さん(右から2人目)

 主婦連合会主催の学習会「農薬について知ろう」が10月15日に東京都新宿区の主婦会館行われ、農民連食品分析センターの八田純人所長が講演しました。主婦連合会は、消費者団体として長年活動し、政府の各種諮問機関にも出席する団体です。
 農民連とは、TPP(環太平洋連携協定)や消費税引き上げ反対運動、畜産・酪農の灯を消すな!・米緊急行動などで共同してきました。9月には農民連の長谷川敏郎会長も講演を行っています。
 講演では、豊かな食生活と暮らしとはなんだろうか? と問いかけ、「安く売られている商品の向こう側には、必ず安い賃金で働く農民など苦しむ人がいます。輸入食品は増え続けているのに検査率は10%以下で横ばいのままです。子どもの尿からも農薬が検出され、食から常に農薬を摂取していることが尿検査からもわかっています」と指摘しました。
 そのうえで日本では、「食べ物は命を守るもの」から「食べ物は経済のツール(道具)」とされて、日本では禁止されているポストハーベスト(収穫後散布の)農薬を“食品添加物”として許し、アメリカ産のレモンの輸入が始まったことや、バナナに農薬を注射する生産方法が普及していること、中国産冷凍ほうれん草の残留農薬告発の取り組みを紹介しました。
 「世界で、安定した生産と価格の引き換えに、農薬を摂取する社会でいいのかが問われています。日本では、大規模化と効率性を押し付け、国際競争力がない農家は恥ずかしいというが、経済的効率の追求だけでは、農民が激減し、いずれお金を払っても食料が買えないときが来る」と強調しました。