食と農の民主主義を あきたこまちを作り食べ続ける県民集会 パート3(2025年11月03日 第1673号)
あきたこまちを守る会
「R」でない「こまち」の作付けを守れ
食料システムの再構築呼びかけ
講演する松平さん
「あきたこまちを作り続けたい、食べ続けたい」人のための県民集会パート3「お米の未来を決めるのは誰? ~あきたこまちの作付拡大に向けて~」が「あきたこまちを守る会」(代表世話人・田口則芳氏)の主催で10月19日、秋田市のアトリオン多目的ホールで開催され、60人が集まりました。(オンラインで参加された方は40人)
第1部の基調講演では、宇都宮大学助教の松平尚也氏が「米価高騰を通して『食の民主主義』を考える」と題して基調講演を行いました。
松平さんは、その中で食と農の民主主義について述べ、グローバル化が進む中で各国の農業や食料政策が変容し、食の格差が起こり、資本と国家主導の大規模で工業的な食料システムやトップダウン農業政策への批判という点で共通しており、「食料主権の原則は農の民主主義であり、食の民主主義は市民の役割強化で食料システム再構築の必要性がある」と話しました。
第2部は、県内の農家2人が「あきたこまち」と「あきたこまちR」の栽培経験を報告。実際の稲を根元から採取し展示比較するなど意見を述べ合いました。
作付けを広げて商品規格明示を
第3部のパネルディスカッションでは、4人のパネリストが「あきたこまちの栽培をどう広げるか」と題して話し、(1)今年度産の「あきたこまち」をどう消費者に届けるか、(2)来年度の「あきたこまち」の作付けをどう広げるか、種子の供給、乾燥施設の確保、表示で「R」と違うことをどう表記するか(見分け方)、等級検査や生産者のとりまとめをどうするか、などについて議論しました。
その中で、兵庫県のコープ自然派のマネジャーさんは、「あきたこまちRは取り扱いしない。あきたこまちを生産者のみなさんが作ってもらえるのであれば買い上げられるよう協力したい」と発言。大仙市のお米屋さんは、「R」をなぜ別ブランドにしなかったのかと疑問視し、「安全性の見方も人それぞれ違うが、生産者が安心して作れるようでなければならない。生産者と消費者のどちらの思いも届けながら橋渡しをしていきたい。食は生きるための基本であり、お米文化を未来に残していきたい」と発言がありました。
学校給食にRを使うなと署名
また、オンライン参加の3人からも話があり、「こまち」と「R」の区別がつかないのには疑問があり、商品の規格がきちんと明示されていないのはおかしいとの意見がありました。
「東京都世田谷区に住んでいるが、学校給食に『こまちR』が使われるのは怖い。区長に『R』は使うなという署名を集めて届ける運動をしている」と話があり、会場は大いに励まされました。
会場からは、「まだ『こまちR』のことを知らない人がいっぱいいる。マスコミにもっと運動を伝えていこう」などと意見が出されました。
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県民や国民に知ってもらう
これからも集会や実践を通して、多くの県民、全国の人に知ってもらえるように活動していきますのでご協力をお願いします。
私たちの要求は、「あきたこまち」の種子を秋田県として生産者の希望通りに供給することを前提に、作りたいものを作る権利や選んで食べられる権利を守ってもらうことを求めています。
(「あきたこまちを守る会」世話人 鈴木一)

