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税金運動の経験交流会開く 農民連税対部 ものづくり、農業労災、就農支援、免税軽油… 税金学び合い、要求と結んで仲間増やし(2025年11月03日 第1673号)

報告する(左上から時計回りに)佐々木、水井、谷川、山崎、下村、岩手県農民連の岡田現三事務局長、来住の各氏

 農民連税金対策部は10月21日、第2回課題別学習会「税金運動の呼びかけ経験交流会」をオンラインで開きました。報告者の発言(要旨)を紹介します。

12月から動き出し早めの申告準備を

福島県農民連
 佐々木健洋副会長

 12月上旬から税制改正の内容や社会情勢・運動の必要性などの学習会をしています。12月に動き出すことで会員さんの意識を早めに税金申告へと向かわせ、申告自体が早めに準備でき、余裕もできます。こうして知り合いを紹介する時間もできます。
 12月には『税金対策の手引き』と『農業収入・支出記帳簿』(税金ノート)、領収書貼り付け用のファイルを配り、学習会で領収書整理のコツなども紹介しています。ノートとファイル(申告書の控えを入れて)を保存することで申告資料1年分が管理できます。中小企業基盤整備機構の制度活用で所得の抑制による節税と取引先の倒産に備えることもできます。

青色申告にも挑戦労災で仲間ふやし

千葉県農民連
 谷川聡子事務局長

 源泉税の納付のための学習会を期限ぎりぎりですが1月中旬に実施します。年金通知の到着が年明けぎりぎりで間に合わないこともあり、その場合は年末調整を案内しています。
 県の資材高騰対策の要件が青色申告または青色申告に変更予定の人なので、青色申告に挑戦する人が増えています。班ごとに朝昼晩と計算会を開催していますが、どの時間も会員さんが参加しています。計算会は早くしようとしてもなかなかそうはならず、集団申告も当日の参加者が減ってきています。
 労災事故が増えているので労災加入で仲間増やしに取り組んでいます。

農民連を知ってもらい税金ともの作りの2本柱で

奈良県農民連
 水井康介事務局長

 通年の仲間づくりに取り組むうえで、農民連の存在自体を知ってもらう必要があります。ものづくりの学習会も定期的に開催し、税金も、ものづくりも取り組んでいる組織であることを伝える努力が必要です。
 「活動のしおり」を作っていますが、分厚くなると説明するのが大変です。封筒に入るサイズでパンフレットを作成中。会員が知り合いに渡すことを呼びかけています。
 税金に興味がある農家のところを事務局・役員が訪問するとき、役員さんなどの過去の『税金ノート』を個人情報が見えないようにして持っていき、農民連の申告のイメージがつくようにして入会につなげています。

50人に1人の税対部員養成めざして

茨城・鹿行農民組合
 山崎行康事務局次長

 県の税対部を6人で組織し、部会で単組にアンケートを実施して問題点を共有しています。さらに50人に1人の税対部員を目指して養成の学習会をやっています。
 班会の案内にあわせて記帳会の参加を呼びかけ、チラシを作成して一般紙に折り込み、仲間増やしに取り組んでいる単組もあります。
 学習会では税務調査への心得なども説明。すぐに相談するよう呼びかけています。
 予約制で記帳会を行う単組もあり、1対1でスムーズに進みますが、会員が多いところでは回らないところもあります。
 事務局の負担軽減のために夜の学習・記帳会は役員で対応する単組もあります。そのおかげで税金以外の課題にも事務局が力を割けるようになっています。

台風被害とコロナ禍で支援事業を活用し支部の組織再建と仲間づくり

大阪・阪南支部協議会
 下村晴道事務局長

 2018年の台風18号被害や、コロナ禍の支援事業で全農家が漏らさず支援事業を活用できるよう取り組んだことで、会員の後退を回復して前進に転換できました。
 全農家対象に春の大運動に目標をもって取り組むことや消費者との交流も行ってきました。ビラを1万枚活用し、新聞折り込みを中心に郵送と訪問対話をしています。学習交流では農家と消費者のための学習会を実施し、新しいつながりから会員拡大にもつながっています。
 『税金ノート』の活用を位置づけてきたことで、会員が自分で記帳して申告できるようになってきており、新規就農の青年は「ノートは神アイテム」と喜んでいます。この5年間で21人の新会員を迎え、新規就農と親元就農の青年が多く入会してきています。若い農家が学習し農民組合の担い手となって自主的に活動できるよう、学習会も進めています。

はがきで紹介を呼びかけ足を運んで魅力を伝え

宮崎県農民連
 来住誠太郎書記長

 通年で仲間を増やすことが課題です。手紙だと封を開けないと中身が見えないので、受け取ったらすぐに見えるようにはがきで、免税軽油や自主申告計算で困っている知り合いを紹介するようお願いしています。
 すぐに結果は出ませんが、月に1人、2人と広がっています。紹介された人が、さらにほかの方を紹介してくれることもあり、6~7月で10人、それ以降でも4人の仲間が増えました。
 農民連は電話一本で相談に乗ってもらえるところという会員の声もあり、農家に足を運んで魅力を伝えることが大切だと感じています。
 新聞の拡大では新日本婦人の会との産直米に見本紙と購読申込書を案内して入れると2、3人が新規に購読しました。