新潟市議会 所得補償、価格保障求める意見書採択
農民連支部が力に
新潟市議会では7月、所得補償を政府に求める意見書が全会一致で採択されました。新潟市の農民連会員の倉茂政樹さん(新津支部、新潟市議)が議員提案しました。
自民党系議員も立場超えて賛同
11月2日に開いた学習会で伊藤助教の話に耳を傾ける参加者
意見書では「コメ農家への所得補償を廃止し、生産も流通も市場任せにしてきたこれまでの農業政策の在り方にも問題があったとする声もあります」と述べ、「所得補償、価格保障で生産者が安心してコメを作り続けられる条件を整備すること」を求めています。
新潟市議会では農政を考える議連(自民党系議員が会長)もあり、農村を回れば「米価はずっと安かった。機械が壊れたら離農する」と話す農家のことが話題になります。
後継者問題への危機感もあり「農家の後継がいないのは予算が少ないからだ」と与党系議員が発言するなど、農政の失敗を認めざるをえない状況が、今回の全会一致につながりました。
自己責任論を乗り越える対話を
一方で倉茂さんは、運動の課題も感じています。地元の青年農家と懇談をすると「自分の経営努力が足りない」と口にします。農協や行政の指導で「市場原理に任せるのが当然」「経営努力をしないといけない」と自己責任論にどっぷりつかっており、「規模拡大するにはどうしよう」「人を雇ったら賃金はどこからねん出しようか」という話題が中心になっています。
「農民の中に、『価格保障・所得補償は、当然の権利として受けていいんだよ』『農業が環境にとても大事な役割をはたしているんだよ』と伝えていきたい」と倉茂さんは語ります。
思想・信条を超えて、全ての農民と対話し、自己責任論の呪縛を解くことが重要です。
月1回の支部会議が原動力
2023年に結成した農民連新津支部では今年、「農民」読者を3人拡大。11月2日には、新潟市内で米問題を消費者と一緒に考えたいと、新潟大学の伊藤亮司助教を講師に学習会を開きました。「お米と農業の未来」と題する学習会には、会場いっぱいの40人が集まり、保守系を含めて、これまでつながりのなかった地域のさまざまな立場の人々が集い、伊藤助教の話に耳を傾けました。
支部で学習会を開催することになったのは、月1回必ず集まって支部会議をしていることが力になっています。
新潟県連は、11月からグリーンウエーブ行動で全自治体への要請も始まります。所得補償を求める意見書をさらに広げるために、12月議会から請願行動に取り組む予定です。

