野党が結束して消費税減税を

今こそ各界連の取り組み強化を

　消費税廃止各界連絡会（各界連）は１０月２４日、全国代表者会議を開催し、あわせて国会議員要請と国会前宣伝行動も行いました。３１団体から延べ８０人が参加しました。午前中に行われた議員要請では１１３人の事務所を訪問し、４人から紹介議員受諾の返答がありました。

減税のチャンス運動で後押しを

　現在の情勢について各界連の中山眞事務局長は「減税実現のかつてないチャンス。野党が足並みをそろえて与党に迫り、このチャンスを生かし切れるかどうかは、世論と運動のさらなる強化にかかっている」と紹介。
　全労連の秋山正臣議長は「国民が消費税減税を求めているのは参院選の結果から明らかで、国会議員は減税を審議すべきだ」と指摘しました。
　しかし自民、日本維新の会連立政権の姿勢は、日本共産党の大門実紀史参院議員が「高市内閣が日本会議メンバー多数の明々白々のタカ派内閣であり、自民党以上にタカ派政策を打ち出した維新との連立は非常に危険。大軍拡を許したら社会保障の削減・増税は確実だ」と指摘するように減税には向いていません。
　「消費税減税は自維連立で遠のいた。本気で減税を訴えてきた私たちが、改めて運動を構築して進める必要がある」（大門議員）。「『消費税、憲法変えれば戦争税』にさせないたたかいが必要だ」（消費税をなくす全国の会、上敷領千枝子事務局長）と強調されたように運動の一層の強化が求められます。

新たな分断生む食料品税率０％

　行動では各分野からの怒りの声も多数寄せられました。
　「インボイス制度廃止を求める税理士の会」の湖東京至税理士は「食料品の消費税０％は大変な間違いだ」と糾弾。「減税しても値下げは起きず、食品大企業にも補助金（還付金）を与え、新たなる分断を生む」と指摘し、「倒産寸前の中小企業から消費税をとって、食品企業に還付するのは新たな不公平と標準税率の引き上げを生む」と訴えました。
　インボイス制度を考えるフリーランスの会（ＳＴＯＰ！インボイス）発起人の小泉なつみさんは「特例終了に合わせて取引先からインボイス登録の圧力が強まり、値上げできず、仕事を詰め込むことで何とか生活を維持しているフリーランスの仲間が多い。自由を奪われることに強い怒りを感じる」と報告。「インボイス廃止、消費税減税はポピュリズムや排外主義の養分ではない。ただ、商売の邪魔なだけだ」と述べました。

消費税で経営苦　地域医療が崩壊

　医療団体からは全国保険医団体連合会の工藤光輝事務局次長が、消費税が医療機関の経営に大きな影響を与えていると指摘。「消費税で利益減、赤字拡大が起き、地域医療は崩壊寸前です。このままではある日病院がなくなる」と訴えました。
　全国商工団体連合会の岩瀬晃司副会長も発言。「仲間の牛乳販売店経営者は、牛乳の消費税が０％になっても仕入れには消費税がかかり、牛乳を値上げせざるを得ないと話している。これでは本末転倒であり、一律減税しかない」と訴えました。

建設業者は消費税と相いれない

　建設業界からも東京土建一般労働組合の御崎誠人常任中央執行委員が「建設業の人手不足解消の取り組みに冷や水をかけているのが消費税だ」と指摘。一人親方の多くが免税事業者で、インボイス導入により価格が変わらず消費税負担だけ増える、あるいは一人親方を雇っていた業者が消費税を、身銭を切って支払うなど、分断を生む状況から、「消費税は建設業界と相いれない」と怒りの声を上げています。
　地方からも取り組みが報告され、高知各界連からは「自治体への陳情では必ず地元の人を入れて提出。一部採択も含めて１４自治体で採択された。南国市では自民党会派も含めて提案者となるなどこれまでにない動きもあった」と紹介されました。

取り組み強化へ方針５つを提起

　こうした状況を受けて各界連の中山眞事務局長は代表者会議で次の５点を提起しました。
　（１）国会議員要請を強め、国会や地元事務所への訪問に取り組む。
　（２）地方議会に消費税減税、インボイス制度廃止の意見書を政府に送るよう求める請願運動の強化。
　（３）宣伝、署名、対話、学習を旺盛に。各界連ＨＰに掲載された宣伝物の活用を。１２月２４日（水）の宣伝は今から準備し、大きく取り組む。
　（４）大門議員の講演や報告資料を使った学習強化を。
　（５）各地で集会・デモで大きくアピールしよう。
　行動の最後に農民連の渡辺信嗣青年部事務局長が、８割控除終了によるインボイス登録の圧力が農家にもかかっていることや、インボイスや定額減税の制度が複雑で混乱を招いていることを紹介。「医療や農業など命を守り育てる人たちが苦しむ税制で良いのか。シンプルで、人々に寄り添う税制に変えていくため、まずは消費税減税、インボイス廃止から各界連の一員として実現に全力を尽くしたい」と決意を表明し、閉会しました。