農家への直接支援を強化し安心して米入手できる国に 日本母親大会実行委が農水省に要請(2025年11月17日 第1675号)
農水省「農家減少はしかたない」と言明

今年9月開催の第70回日本母親大会の決議に基づき、同大会実行委員会による省庁要請が10月23日に行われ、農水省への要請には、農民連女性部役員のほか、宮城、茨城、群馬、香川、愛媛の各県母親大会からの代表者などが参加しました。(写真)
農水省への要請では、「国内で増産し、食料自給率を向上させること」や、「所得補償と価格保障を組み合わせて農家に直接支援するとともに、消費者が安心して買える農産物価格を実現すること」、「食料支援制度を確立すること」などの6項目を求めました。
小規模農家への支援こそ強化を
参加者からは、県や地域の母親大会の食・農の学習会などで上がった、地域農業の危機的な実態などが語られ、「食料自給率38%ではいざというときどうするのか。向上させる具体的な手立ては?」「地域では小規模で高齢の農家が多いのが実態。機械代も高く、小規模農家が続けていけるように支援してほしい」との声が相次ぎました。
しかし農水省は、米不足などなかったかのように、「農業人口が減るのは仕方がない。そうなっても生産量が確保できることが重要なので、スマート農業や大規模化などの構造改革を進めて、生産性向上を支援していく」と、これまでになく小規模農家切り捨てに踏み込んだ答弁に終始しました。
収入保険よりも「優しい」制度に
また農家への直接支援については、「市場取引で合理的な価格が形成できるよう食料システム法を整備した。収入が減った場合は収入保険もある」と回答。
すかさず参加者から、「農家の負担が生じる収入保険ではなく、農家には所得補償をして、消費者は安く入手できるように、もっと優しい制度にしてほしい」との要望が出されました。
しかし農水省は、「全農家対象に所得補償すると、より効率的な生産性向上を阻害する。財政的にも厳しいので今は考えていない」と、改定された食料・農業・農村基本法と「基本計画」農政を一歩も出ない姿勢を鮮明にしました。
参加者は重ねて、「地域の母親大会でも、食の分科会は大にぎわいで、非常に関心が高い。日本の農業を守るために、農水省にがんばってほしい」と要望しました。

