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3・13重税反対全国統一行動中央実行委員会が学習会 税の集め方・使い方で国民的議論を呼びかける(2025年11月24日 第1676号)

運動の発展めざし

講演する佐伯さん

 3・13重税反対全国統一行動中央実行委員会は11月11日、「3・13統一行動の発展をめざす学習会」を開催しました。オンラインと現地参加合わせ、262人以上が参加しました。
 全国商工団体連合会(全商連)の太田義郎会長は開会あいさつで「参院選では、消費税減税を求める声が、自公政権の崩壊という大転換を生み出した。国の財布は一つしかなく、軍事費優先では大増税で暮らしは大変になる。今日は税のあり方を学び、来年の申告に向け今の税制に対し声を上げて、大きな運動を作ろう」と学習会を力に今年の統一行動を発展させることを呼びかけました。
 学習会では佐伯和雅税理士が「~憲法と税金~たたかってこそ権利は守られる」と題して講演しました。(要旨は別掲)
 学習会を受けて、実行委員会から、「国民のみなさんへアピール」を出すことが報告され、来年3月の統一行動について、各地で早期に実行委員会を組織して、税金の集め方、使い方について全国民的議論を起こしながら、全納税者が声を上げる一大行動として発展させることが呼びかけられました。

〈行動提起〉

 1、年内の早い時期に、地域で実行委員会を結成し、活動を開始しましょう。
 2、大軍拡の一方で国民向け予算が削減されるなど税金の集め方と使い道と併せて、税務行政の実態を広く学び、知らせる学習会や宣伝行動を旺盛に展開しましょう。
 3、「国民のみなさんへアピール」を活用し、すべての納税者に3・13統一行動の意義と日程を大きく知らせ、参加を呼び掛けましょう。

 


 

佐伯税理士講演(要旨)
運動なしでは権利は守れない

応能負担原則で個人の尊厳守れ

 税法など行政法は憲法の精神を守らなければならず、基本的人権の「個人の尊厳」を侵す規定は設けられない。憲法の立法趣旨からすれば税を課す方法は応能負担原則しかあり得ず、そこからは最低生活費非課税の原則などが導かれます。
 課税最低限は生活保護費も下回る明らかな違憲状態で、税務署は時に法律にはない根拠を持ち出して、応じなければ決定処分するという「租税法律主義」に違反する行動を繰り返してきた歴史があります。
 租税の本来の機能は「公共の福祉」実現のためのサービスの資金調達、所得の再分配、景気の調整の3つがあり、税の役割から見ても消費税は「最悪」の税金です。
 消費税法には「国内において事業者の行った資産の譲渡に消費税を課税する」とあり、事業者が支払う直接税です。国民は消費税に関係ないため、「最低生活費非課税」の原則が及ばないと裁判所も解釈しています。
 しかし納税義務者である事業者個人には「最低生活費非課税」の原則が及ぶはずです。にもかかわらず、裁判所は盲目的に解釈し、価格転嫁できない中小事業者にこの悪賢い制度が牙をむいています。

為政者が恐れる意志のある集団

 重税に対するたたかいは近代社会の成立と深くかかわっています。現在でも資本家や世襲政治家に政治・経済は支配されており、国民の権利はたたかって勝ち取る必要があります。
 権利は感覚によるところが大きく、感覚は行動や思考によって養われます。国は権利を不当に制限しようとしていますが、時代の流れだとあきらめるのか。
 3・13統一行動は戦後の重税に抗した行動から始まり、1970年からは全国で統一行動が行われてきました。税金の使い方に納税者自ら意思表示するものとして行われ、理由のない更正決定や過剰な差し押さえを防ぐなど、3・13統一行動の果たしてきた役割は大きいものがあります。
 消費税や、行政指導の押し付け、法制度を悪用した税務行政、不当な課税・徴税など、学び、たたかわなければ変わらず生活・生業が立ち行かなくなります。
 いつの時代も為政者が恐れるのは「意思のある集団」です。税務行政を正す運動の一丁目一番地が3・13統一行動であり、ますます大きくしていかなければなりません。