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令和の百姓一揆@秋田 農家に所得補償を!(2025年11月24日 第1676号

トラクターと軽トラ17台、荒天の中、80人がパレード

トラクターと軽トラ17台連ねてパレード

 「すべての農民に所得補償を!」「日本の食と農を守ろう!」と11月10日、あられも吹き荒れる天候のなか、秋田市八橋運動公園内にある野外音楽堂を会場として「令和の百姓一揆@秋田」が開催され、トラクターと17台の軽トラック、歩くパレード隊を含め約80人が参加して県庁・市役所がある山王大通りや秋田駅前、商店街などをパレードしました。
 野外集会で主催者あいさつをした実行委員長の畠山勝巳さんは、「秋田での令和の百姓一揆は初めての取り組みとなった。これまで米価は安くても農家は声を上げてこなかった。農家はもう限界にきている。まずは一歩を踏み出そう」と呼びかけました。
 山形の「令和の百姓一揆」共同代表の小野寺紀允さんも連帯のあいさつで、24日に山形でもトラクターデモを開催すると表明。「気候変動で農作物に影響が出ており、農家が減っている。消費者にとっても無関心ではなく、メディアにも取り上げてもらうよう呼び掛けていこう」と訴えました。
 すぐそばにある陸上競技場の2階では集会やパレード準備で並んだ軽トラックを眺める人が数人ほどが立ち止まり、太鼓やタンバリンの鳴り物を鳴らして歩くパレードに手を振る会社員がいるなど注目を集めました。
 また、地元放送局では、数分にわたり集会の模様やパレードの紹介を放映してくれました。参加した人は、「こんなにくるくる変わる農業政策では話にならない。所得補償で農家経営を支えてほしい」「消費者だけれど参加しました。もう少しお米の値段を何とかしてほしい」と話していました。
 (「令和の百姓一揆@秋田」実行委員・秋田県農民連事務局長 鈴木一)

 秋田県農民連でも、「令和の米騒動一揆@秋田」に向けて、参加者を増やそうと奮闘しました。何十年も税金だけだった組合員にも声をかけ、百姓一揆に組合員3人を誘って参加した、秋田市農民組合の副組合長、小野義一さんの話を紹介します。

米問題を解決して後継者を育てたい
小野義一さん
(秋田市農民組合副組合長)

 米問題をなんとかしないといけないと参加したと思う。基盤整備しても、年金世代が田んぼを耕しているだけで、孫子や若者は農業を継がない。とにかく後継者がいないのが大問題。農業だけで暮らしていけないのに、都会から帰ってこられない。トラクターやコンバインも1000万円を超えて、更新もできない。
 所得補償と価格保障は何十年も求めてきた。国は農業を大事にしない。世界も日本も気候危機で、食糧難の時代が来る。日本が輸入に頼ってばかりではどうにもならない。
 秋田市農民組合も高齢化しているけれど、新しい人を迎えて、政治や社会にものを言っていかないといけない。