旬の味(2025年12月08日 第1678号)
山口県上関町に原発建設計画が持ち込まれてから43年。住民の粘り強い反対運動と東京電力福島第一原発の事故を経てなお、建設計画は撤回されず、その是非を巡って住民や家族が意見の違いで分断され、地域振興と銘打った原発交付金では急激な人口減少に歯止めがかかっていない▼そして今度は、使用済み核燃料が運び込まれる中間貯蔵施設の建設計画が突如浮上。巨大地震による事故のリスクに対する不安、関西電力の核のゴミを引き受けなければならない理不尽、核燃料サイクルが確立しないまま「永久貯蔵」になる懸念など、反対の声は周辺自治体に広がっている▼加えて、建設予定地周辺は、生物多様性条約に基づき政府が国連に登録した海洋保護区の穏やかな瀬戸内海。この海の豊かさと融合するように人々の暮らしは営まれてきた▼ひとたび事故が起きれば漁場も農地も生活も奪われる。美しいふるさとを未来へ手渡すために、声を上げ続けたい。「私の願い」が「私たちの願い」になった時、社会は変わる。(羊)

