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新規就農で見えたこと(2025年12月08日 第1678号)

初期の設備投資に苦労
作業機械購入・作業場の確保…
周りの助けうけて乗り越える
作目に応じた支援制度が必要

千葉県佐倉市
米農家 田端 希さん

田植え機がないなか、
手作業で田植えする希さん

 千葉県佐倉市の千葉県農民連会員、田端希さんは夫の大輝さんと就農して丸3年を迎えます。お米85アールを含む1・2ヘクタールを夫婦で耕作しています。
 初期の設備投資に苦心し、1年目にハンマーナイフモアを補助金を用いて購入したのち、米の刈り取りでは給食に出荷する1枚は集落の農家さんのコンバインで刈ってもらいましたが、残りは古いバインダーを譲ってもらい、手作業で束ねてほだがけで乾燥。近くの農民連会員、小出一彦さんからハーベスターを借りて脱穀、同じく会員の菊間秋彦さんや小倉毅県副会長の機械を借りてもみすりを行うなど周りの助けもあり、乗り越えました。
 冬にはネットオークションで中古のトラクターを、2年目には同じく中古の4条の田植え機を譲り受けるなど、資金を抑えての機械導入に腐心しています。

作業場所や倉庫の確保も障害に

倉庫がなく、収穫したお米でいっぱいの玄関

 田端さんは「作業場所の確保も大きな障害だった」と話します。普通の住宅なので作業用スペースも収穫物をしまっておく場所もありませんでした。2階に収穫した米を置いておいて、精米の際にいちいち下ろして精米後にまた持って上がるなど、作業面でも生活面でも大変でした」
 買った機械も置く場所がなくて借りている農地に、野ざらしで置くしかありませんでした。
 補助金の面でも苦労した田端さん夫妻。新期就農者育成総合対策の経営開始資金を申請しましたが、市役所の担当者がなかなか連絡が取れない状態で、結果として、1年目の申請が遅れて2年間しか受給できないという事態になりました。「役所の対応次第で国の制度が受けられないことがあるというのは問題です」
 田端さんは話します。「作目に応じた新規就農支援制度が必要ではないでしょうか。野菜でしたら出荷調整を行える作業場が必要ですし、米農家であれば機械を置く場所も必要になります。機械も補助がありますが、一度立て替えて支払う必要があるので、初期資金がないと特に米農家で就農は厳しいです」と訴えました。