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厚労省が検討中 小規模農家の労災保険 全従業員の加入義務化へ 短期の一時雇用も対象に(2026年01月19日 第1683号)

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 従業員の労災保険について、農業分野では特例で常時雇用の従業員が4人以下の個人経営は加入が任意となっていました。また農業者本人はトラクターで作業するなど一定要件を満たせば特別加入として任意で加入できました。
 厚労省は労働者保護の観点からすべての事業者に対し、短期雇用を含むすべての従業員の労災保険加入を義務化する改正を検討しています。これについて1月6日、厚労省と農水省の担当者から説明を受けました。
 厚労省の担当者からは「労働基準法には労働者の業務災害については使用者に災害補償責任があると定められており、労災保険に加入することで、使用者の支払い能力によらず補償を受けることができる。基本的にすべての労働者について強制適用となっており、小規模農業者については特例として任意加入となっていた」とこれまでの経緯が説明されました。
 また、厚労省内の部会で「農業従事者も労働災害の補償を受けられるようにすべき」と見直しの検討が進んでいることが紹介されました。
 経営規模、雇用期間にかかわらず給与の発生するすべての従業員が強制加入となること、施行には十分な準備期間を設けること、などが部会で議論され、年度内に取りまとめが行われる予定です。
 また、労働基準監督署や労働保険事務組合・労災保険特別加入団体などを活用して周知や手続きの支援を行うことも検討されています。
 農水省の担当者からも「雇用就農を推進していくなかで、労災保険の適用が選択の基準の一つになってきている。安全意識の徹底など事故を起こさない取り組みを進めつつ、万が一のセーフティーネットとして進めていきたい」と前向きに進める意向が伝えられました。
 特別加入している農業者が従業員を雇用する場合については、「特定農作業従事者のままか、中小事業者という立場に変わるのかは現在検討中だが、従業員分は強制加入の対象になる、農業者本人はこれまで通り特別加入の対象」との説明がありました。