アイコン 新聞「農民」

〈談話〉総選挙の結果について 2026年2月9日 農民運動全国連合会 会長 長谷川 敏郎(2026年02月23日 第1688号)

高市政権の右傾化政策を許さず日本の食と農守る運動広げよう

 一、2月8日投開票の衆議院選挙は自民党が316議席を獲得し、単独で衆議院の3分2を占める結果となった。
 自民党大勝の要因は、野党第1党だった立憲民主党が公明党と中道改革連合を結成し、自民党政治の延命路線を打ち出したことで、自民への批判票が行き場を失った結果、もたらされたものである。一昨年・昨年の衆議院・参議院選挙で自民党政権を少数与党に追い込んだ「裏金」や「統一協会」問題をはじめ、自民党政治に対する批判の世論が消え去ったわけではない。
 一、一方、国民の主食である米の不足を招いた自民党の大失政=「令和の米騒動」についての論戦は行われなかった。本来、米問題は昨年の参議院選挙直前に小泉前農相が政府備蓄米のダンピングを行い、価格の鎮静化で世論を抑え込んだように、国政上の最大の問題の一つである。史上最短の選挙戦であったため、食と農の危機を一大争点に押し上げることができなかったことは残念である。
 一、現在、自民党は2027年「米改革」で日本農業の最後の砦(とりで)、米作りを標的に米農家と農村つぶしの総仕上げを進めようとしている。この攻撃に全人口の1%にも満たない農家だけの運動では事態は打開できない。いまこそ、市民・消費者との共同の輪をさらに広げ、自民党農政を終わらせるたたかいを広げなければならない。
 とりわけ、日本全体の右傾化の中に農業政策も位置付けられてきたことを直視する必要がある。新自由主義農政の下で農業と農村は破壊され続け、この25年間で農家数は3分の1に激減した。両隣がいなくなり、荒廃農地が増えた。数量的な限界だけでなく、近隣での人間関係が希薄になり、孤独と分断、新自由主義的な競争にさらされ続けてきた。いま、食料・農業問題で右傾化する農業政策に反撃していくことが求められている。
 高市首相は、選挙終盤に憲法「改正」に言及し、前のめりの姿勢を明確にした。
 しかし、日本国憲法96条は、「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し」と規定しており、衆議院で条件を満たしたからと言っても、依然として参議院は少数与党であり、28年改選まで事態は変わらない。
 一、農業政策でも野党の多くは「食料自給率50%以上に」「農家への所得補償を」と主張している。農民要求の実現はジグザグであるが、要求で一致する政党とさらなる共同を広げていく。
 高市政権が憲法9条改悪や非核三原則の見直し、スパイ防止法制定など、本当に危険な方向に向かおうとするいま、農民連は断固としてその動きを止めるために奮闘する決意である。