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わが家のホコリからPFAS!?(2026年03月02日 第1689号)

分析センター職員の自宅からも
身近な問題として真剣に考えよう

DPJシンポで衝撃的な報告

(右から)原田さん、八田さん

 「永遠の化学物質と言われるPFAS(ピーファス)が自宅のホコリの中から検出された」--。農民連食品分析センターの八田純人所長は2月12日、「デトックス・プロジェクト・ジャパン」(DPJ)が都内で開催した設立6周年記念シンポジウムの中で衝撃的な報告をしました。
 八田さんの報告によると、昨年4月に分析センター職員がインターネットで、医学論文「ハウスダストからもPFASが出る」という研究を発見。「ホコリ由来のPFASにさらされた子どもは暴露が少ない子どもと比較すると、白血病にかかるリスクが60%も高い」という内容に驚がく。「これが本当なら身近で深刻な問題だ」と職員は自宅の洗濯機兼乾燥機のフィルター内のホコリを検査しました。その結果、代表的なPFASとされるPFOA(ピーフォア)が900ナノグラム、PFOS(ピーフォス)が670ナノグラム、それぞれ1キログラムあたりで検出(1ナノグラムは1グラムの10億分の1)。

生活に便利だけでいいのか!?

 これは国が定める水道水の水質基準「PFOSとPFOAの合計値で1リットルあたり50ナノグラム以下」に照らすと31倍も高いことになります。八田さんは「水とホコリを単純に比較してはいけないが」と前置きしたうえで、「PFASの問題は米軍や自衛隊の施設、工場などが近い地域の問題と捉えがちだが、実は私たち一人ひとりに本当に身近な問題。有機フッ素化合物を“生活に便利なもの”としてだけで考えてはいけない」と警鐘を鳴らしました。そしてDPJとして行った「ハウスダストのPFAS検出調査」の内容を報告。各家庭の掃除機のホコリを分析した結果として「提供された17人のホコリのほぼ全てからPFOA、PFOSが検出された」(表)、「現状、それらが何に由来し、どこからきているのかは分からない」と述べました(この調査結果は今後DPJのホームページに掲載されます)。
 DPJシンポでは八田さんの報告を補強する形で、PFAS研究で著名な京都府立大学の原田浩二教授が基調報告を行いました。原田さんは「生活の中、身近なものの多くにPFASが使われている」と指摘。衣類として撥水(はっすい)加工が施されている一部のウインドブレーカー、ニット帽、キャップなど、化粧品は一部メーカーの日焼け止めや化粧品表示に「フルオロ」が付くものはほぼ例外なく(照かり防止として)、耐油紙として一部コンビニやファストフード店で使用されている揚げ物の包み紙、その他にもフッ素加工が施されているキッチンマット、ソファーカバー、パーテーションなど非常に多岐にわたることが報告されました。

全てのPFASは人工化合物!

 原田さんは「PFAS製品を使用することでの直接的な暴露と、ハウスダストによる暴露は別として考えるべき。さらに普段食べる食事からの直接暴露が断然多いと考えている。大事なことは、PFASは全て天然には存在しない人工化合物であり、企業自身が『PFASフリー』製品を開発・販売していくこと、代表的なPFASだけを調査・規制対象とせず、広くPFASを見ていくこと」とまとめました。
 八田さんも「これまでDPJは市民の立場でグリホサートやネオニコチノイド系農薬の調査を実施してきた。PFASについても、市民自身が立ち上がり調査をしてデータを得ることで多くの人に問題意識を持ってもらい、国の姿勢を変えていこう」と呼びかけました。