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本の紹介 “畜産のいま”を学べる良書! 関根佳恵さん著 『13歳から考える畜産』(かもがわ出版)(2026年03月23日 第1692号)

 「かもがわ出版」(京都市上京区)刊行の『13歳から考える畜産 小さな畜産からつくるサステナブルな未来』は、酪農・畜産という営みがどのようなものであり、今後の畜産の在り方をどう考えていくべきなのか、などを幅広い世代で共有できるテキストになっています。
 著者は、愛知学院大学教授の関根佳恵さん。本書では、序盤で畜産の成り立ちや、「畜産・酪農がどれだけ私たちの生活を支えてくれているのか」を丁寧に解説した後、直面するさまざまな課題に向き合うことを通して、新しい畜産について考える構成になっています。
 私たち農民連もこの間、「畜産・酪農危機」に向き合ってきました。「危機」とは何を指すのか、なぜこのような状況になっているのか。本書では日本の畜産の歴史をたどりながら、「高度経済成長」「選択的拡大」「加工型畜産」などのワードを通じて、“畜産のいま”をあらためて知ることができます。
 関根さんは本書の中で「今日の畜産はさまざまな課題に直面していますが、その原因の多くは畜産や家畜そのものというよりも、その工業化にあります」と述べています。課題克服への対案として、生産資材費や外部依存度の高まりを抑え、地域に根ざし、後継者を確保していく“小さな畜産”を提起。その立場から各地の取り組みを紹介し、地域循環、有機的な栽培を取り入れた環境負荷の低減、動物福祉(アニマルウェルフェア)の考えに配慮した経営体系の在り方などによる“持続可能な畜産への転換”を呼びかけます。
 「かもがわ出版」が手掛ける『13歳からのあなたへ』シリーズは、「これからのために知っておきたいこと」という視点でつくられています。本書も、毎日のように食べる乳製品の成り立ちと、まだ見ぬ“畜産の世界”が頭の中でつながるような、想像をかき立ててくれるであろう良書です。国内や海外のあらゆる場所を訪ね、生産者の努力や苦労に向き合ってきた関根さんの温かい視点も魅力です。

 価格 本体1800円+税
 A5判 160ページ
 注文はお近くの書店または「かもがわ出版」ホームページなどから
 問い合わせ先 かもがわ出版 (電話)075(432)2868