福島原発事故から15年 争いの絶えない今こそ原発ゼロを!(2026年03月23日 第1692号)
立場、世代超え、8500人集結
来場者でにぎわうふるさとネットの出店
「東電によるフクシマ原発事故から15年 なくそう原発3・7全国集会」が3月7日、東京・代々木公園で開かれ、8500人が参加し、パレードも行いました。
「日々、脱原発・反原発を、いろいろな人とつながって運動を広げていきましょう」。「さようなら原発」1千万人署名市民の会呼びかけ人の鎌田慧さんの訴えで幕を開けた同集会では、改めて原発ゼロの日本を作る決意を固め合いました。農民連ふるさとネットワークも出店し、郡山の花木や、ささき牧場(福島市)のチーズなど福島の品を中心に販売しました。
二度と被害者作らぬため連帯してたたかいを
津島原発訴訟原告団
三瓶春江さん

私たちの津島地区は原発から30キロメートル圏内の浪江町にあり、帰還困難区域に指定されています。指定が解除されたのはわずか1・6%で、復興再生拠点区域と呼ばれています。
元いた住民で戻っているのは1軒だけです。そこにはポストも、コンビニもガソリンスタンドも何もありません。国の決めた基準だからと、そんな状態のところに返されようとしています。この事実を知ってもらわないと、原発再稼働が進む中で、また事故が起きれば私たちのように故郷を追われ15年も帰れないことにつながるのです。
この訴訟は福島だけの問題ではありません。「自分が事故の被害者になるのでは」という危機感をもって、支援をしていただければと思います。
3月9日は仙台高裁の結審日です。私たちのような不条理な被害者が生まれないようがんばりますので、みなさんのお力をお貸しください。
安全を最優先するには原発との決別しかない
県民大集会実行委員会
事務局 瓶子高裕さん

事故から15年。被害者のなりわいの復旧や精神的苦痛はいまだ続いています。
避難指示解除が広がっていますが、いまだに帰還困難地域が残されており、帰還する人はごくわずか。コミュニティーの形成など課題も山積みで、帰還者への生活保障も徐々に打ち切られつつあります。
廃炉作業も困難を極めています。24年に2号機から取り出した燃料デブリの分析に時間がかかり、3号機からの大規模燃料取り出しは早くても37年とされています。ALPS処理水は通算18回の海洋放出が行われ、廃炉完成の姿も道筋さえも見えません。
東京ドーム11杯分の除染土が県内の中間貯蔵施設に保管されており、45年までに福島県外で最終処分することが法律で決まっています。国民的議論が必要です。
第7次エネルギー基本計画では再生可能エネルギー目標の引き上げと同時に、事故の反省から設けられた「原発依存度を可能な限り低減する」の文言は削除され、原発の最大限活用に回帰しています。
安全を最優先にするには原発との決別しかありません。これほど多くの人の生活を一変させてしまう過酷事故を二度と起こさせないため、風化させてはいけない。
「原発のない福島を!県民大集会」を3月21日に福島市内で開催します。共にがんばりましょう。
原発は国防上もリスク再エネこそが成長産業
脱原発をめざす首長会議
世話人 湖西市議・三上元さん

標的となる原発を抱えて外国から脅されたらどうなるか。原発は攻撃されたら自国民を襲う核兵器となるのです。国防上も原発はリスクとなるのです。
私は市長になる前は経営コンサルタントでした。経営者の基本は衰退産業から手を引き成長産業に投資するということです。原発はコストが高いということが明らかになっています。しかも国防上のリスクにもなります。一方、再生可能エネルギーはどんどん安くなっていて成長産業なのです。成長産業に投資をしようではありませんか。
これからも原発反対にちゃんと向き合いたい
農民連ブースで「ささき牧場カフェ」の焼き菓子を購入した都内の大学院生(20代・女性)
私はいま教育関係で学んでいて、大学院の1年目です。27年度の春に教員になることを目指しています。中学校の社会科教員になりたいと思っていて、もともと原発に関心がありました。
大学に通い始めたくらいから、日本社会が「だいぶ平和から離れてきているな」という印象を持つようになり、「これは偏っているものを戻さなければいけない」と思いました。そのなかで「核兵器の歴史」や「反原発の運動」というものをちゃんと考えて、「核廃絶や反原発につなげていかないといけない」と自分の中で考えるようになりました。
エネルギー問題は、なかなか「主張するには敷居は高いかな」と思うけれど、自分のスタンスとしては「反原発」の側にいたいという考えがあり、今回知り合いの先生から「こういう集会があるよ」と紹介してもらったことがきっかけで今日参加しました。
地元は愛媛県なので伊方原発がありますが、地元の脱原発運動にはちゃんと関わった経験がなく、そういう部分でも自分の中で「これからはちゃんと向き合いたい」と思っています。
原発を必要としない社会をつくろう
柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク・佐々木かんなさん

新潟・柏崎刈羽原発の再稼働は県民の意思を無視して進められています。14万人以上の県民投票を求める署名が集まったにもかかわらず、県議会は否決。「県民には判断できない」という耳を疑う発言が議会で飛び出し、議論自体を否定する県知事・議会の姿勢に憤りを感じました。
私はもっともっと、原発の議論の輪を広げ、将来を担う10代が蚊帳(かや)の外にされている現状を変えたい。
原発を止めるということは、原発をなくすというだけでなく、原発の必要がない社会、誰にもしわ寄せの行かない社会を作ることだと思います。
それには議論に参加する機会さえない人がいる現状を変えないといけません。
誰にでも知る権利、考える権利、発言する権利があります。意見を押し付けるのではなく一緒に考える場を地道に作っていきます。
あきらめないでできることを伝えたい。考える場を作りたいと40万軒へのリーフレット配布も計画しています。「原発の是非と未来の社会は県民の私たちが決める」と声を上げられる若者を増やし、対話の輪を、民主的な政治を新潟から作っていきます。
声を上げ続けることが未来を変える力になる
フクシマ連帯キャラバン・全港湾労働組合小名浜支部青年部執行委員 高木謙さん

2025年のフクシマ連帯キャラバン団長を務めました。北は北海道、南は沖縄の労組から約50人が参加。3泊4日で被災地のフィールドワークや津島訴訟原告団の家の見学などを行いました。
この目で見て感じたことが、その後の自治体との意見交換に役立ちました。
茨城県内での要請行動では、各自治体に要請書を提出。こちらの思いを伝えてきました。
行動を終えて感じたのは、原発事故はまだ終わっていないということです。突然奪われた何気ない日常・生活や大切な人との別れは、簡単に癒える傷ではありません。
私たちの行動は小さな一歩かもしれません。しかし声を上げ続けること。事実を学び続け若い世代につないでいくことが、未来を変える力になると信じています。ともにがんばりましょう。

