原油・資材高騰・不足対策を 先手打った対策を早く(2026年04月06日 第1694号)
農民連 ふるさとネット 農水省に要請
生産者「先が見えない」 食糧法改定は中止せよ
畜産農家 赤字転落の危機 マルキン(肉牛・肉豚の経営安定交付金)の発動を
対策を訴える長谷川会長(中央)ら
農民連と農民連ふるさとネットワークは3月27日、農水省に対し、原油や農業資材価格高騰から営農を守る対策を求める要請を国会議員会館内で行いました。各地の農民連もオンラインで参加しました。
要請内容は次の通りです。
(1)原油高騰等による農業生産への影響を注視し、燃油、肥料、飼料、農業資材、農機具などに関して、後手とならないよう従来の政策枠組みにこだわらない実効ある支援策を打ち出すこと。その際、経営規模等を問わず、すべての生産者を対象とした支援策にすること。
(2)「主要食糧法改定案」は、米の生産と需給、価格に対する政府の責任と関与を放棄して生産者に自己責任を押し付け、政府の最低限の責任である備蓄の水準を復元しないまま民間業者に責任を押し付けるものであり国会提出は踏みとどまること。当面、25年産米の市場からの買い入れと26年産米以降の確実な買い入れを行い、備蓄水準復元と米価暴落を回避すること。
(3)農政の戦略的方向を食料自給率向上に据え、当面、「食料・農業・農村基本計画」で定めた45%を達成するための政策的見直しと行程表を明らかにすること。その不可欠な政策として主要農産物の価格保障、農家の所得補償を制度化すること。
米袋のインクがなく発注できず
冒頭、農民連の長谷川敏郎会長は、原油や資材の高騰について「私の地元、島根のガソリンスタンドでも20リットルの給油制限や小さなスタンドにガソリンが回ってこないなどのことが起きている。これから春の農作業を迎える中、先手を打った対策が必要だ。食料自給率向上と所得補償、価格保障の制度化も農政に位置づけよ」と述べました。
参加者からの発言では、岩手県農民連の岡田現三事務局長が畜産、水田、畑作で原油高騰に大きな不安があり、先の展望がみえない実態を伝えました。また、米袋を製造するにも、インクや溶剤がなく、発注できない状態で米の出荷ができなくなる懸念を述べ、対策を求めました。
飼料高騰はすでに始まっている
群馬農民連副会長で、下仁田ミート株式会社名誉会長の上原正さんは、すでに1~3月期配合飼料価格の高騰が始まっていることを、具体的な価格を提示して指摘。「7月以降には配合飼料1トンあたり1万円の値上げが予想される状況で、生産コストは1頭3000円も上がり、枝肉価格では1キロあたり40円強上がらないと、赤字経営になってしまう現状だ。国として対策をとってほしい」と要望しました。
農水省は、飼料価格高騰には配合飼料価格安定制度で対応していく考えを示すとともに、牛・豚マルキン(肉用牛・肉豚経営安定交付金)や、政府の重点支援地方交付金の活用などもあると回答。上原さんは「配合飼料価格安定制度は制度設計上、飼料への補てんが増額されると、生産者の基金拠出額も増えることになってしまう。それよりも豚マルキンなど経営への支援を強めてほしい」と重ねて求めました。
北海道農民連の富沢修一書記長は、4月から11月にかけて免税軽油の使用期間であり、4、5月には植え付けのピークを迎えることから、軽油の使用が増えることを指摘。「今は配達できるが、この先はどうなるかわからない」と述べ、対策を求めました。
さらに飼料用米について、10アールあたり10万5千円の交付金の算定基準のハードルが高く、作付けを断念したり減らしたりする事例を紹介。算定方式の見直しを要求しました。
政府備蓄米の買い入れを早急に
参加者は、4月に提出予定の食糧法改定でも「拙速な提出はやめよ」と訴え、政府備蓄米についても、農水省が「民間備蓄を含めた備蓄制度の見直しを検討」と述べたのに対し、「民間業者に責任を押しつけることなく、政府の責任で備蓄制度の運用を行え」と訴えました。
要請には、日本共産党の岩渕友参院議員も同席し、「対策は緊急を要する。緊迫感をもって主体的に取り組んでほしい」と求めました。

