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スパイ防止法って何? Q&Aで考えてみよう 戦争準備の国家づくり(2026年04月13日 第1695号)

市民総監視の国家情報局法案
反対の声あげ続けよう

「アメリカはイランへの攻撃をやめよ」「日本は憲法を守れ」とペンライトでアピール=3月25日、国会正門前

 現在、自民党、日本維新の会の連立政権合意や、国民民主党、参政党などによって「スパイ防止法」(インテリジェンス・スパイ防止関連法制)の制定に向けた動きが急加速で進んでいます。その問題点について、秘密保護法対策弁護団などがQ&Aを作成しましたので紹介します。

いくつかの情報機関を統合しスパイ情報強化

Q どんな内容のスパイ防止法案が提案されるでしょうか?
A 国家情報局法案は、内閣情報調査室を局に格上げし、いくつかの情報機関を、これに統合するものとなるでしょう。この法案が、スパイ防止法の第1号です。
 これを通してしまえば、第2弾として、今秋には、外国通報目的の秘密ろうえいを死刑、無期拘禁などの厳罰に処す法案、外国代理人規制法案または外国勢力活動透明化法案という名の、日本市民が外国の人々と政治、経済、文化活動を協働する行為にスパイ予備軍との疑いの目をもって、情報局への広範な登録を義務付ける法案が提案されるでしょう。
 そして、来年の通常国会には、対外情報庁法案が提案されることでしょう。対外情報庁は、アメリカのCIA(中央情報局)、イギリスのMI6にあたる機関であり、日本製スパイを養成し、世界各国に派遣しようという計画です。ちょう報のため、日本のスパイには仮装身分を認める制度なども提案されるようです。

戦争放棄の日本国憲法 対外情報収集は不要

Q なぜ、日本は戦後80年間情報局を持たなかったのでしょうか?
A 戦前には、日本にも情報局という機関がありました。しかし、この機関は、戦争遂行のための宣伝と国内の新聞出版の検閲のための機関でした。他方で、いま、目指されている国家情報局は、戦前でいえば、憲兵や特高のような機関です。対外情報庁は、陸軍中野学校が養成していたような対外スパイ活動のための機関です。
 敗戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、まず、日本軍を解散させましたが、軍国主義の一掃のため1945年10月、治安維持法、国防保安法、軍機保護法などを廃止し、内務省は解体され、特高警察は解散させられました。
 そして、日本国憲法は前文と9条で軍隊を持たないこと、交戦権の否定、国際紛争の解決のための手段としての戦争を放棄することを宣言しました。このような国に、戦争に勝つために情報を集め、また他国に謀略を仕掛けるような情報局、対外情報庁は不要だと考えられ、見送られてきたのです。
 それが、戦後80年間、自ら戦争の当事国とならなかった日本という国のかたちなのです。

戦後多くの軍事紛争がCIAの謀略に起因

Q アメリカのCIAは、1月にベネズエラのマドゥロ大統領を拉致するような乱暴な作戦を行いましたが、過去に、CIAはどんな謀略行為を行ってきたのでしょうか?
A 安倍首相の祖父にあたる岸信介元首相は、戦時の商工大臣でしたが、戦犯として責任を問われ巣鴨プリズンに収監されますが、CIAの協力者となり、不起訴となり、CIAの支援を受けて首相に上り詰めていきます。
 戦後の自民党政治の中枢で、岸信介はCIAの協力者として活動していたことがわかっています。
 戦後の軍事紛争の多くがCIAの謀略に起因していました。1973年に、選挙で選ばれたチリの社会主義政権であるアジェンデ政権の転覆はCIAの違法工作によって支援されたピノチェト将軍によって遂行されました。
 CIAは議会への贈賄、世論操作、ストライキへの資金提供などによってクーデターを促しました。

対外情報庁はCIAにならった謀略組織

Q 情報局、対外情報庁を作り、スパイ防止法を制定することは、戦争につながりますか?
A 戦前の日本を見ても、スパイ防止は戦争準備の合言葉でした。そして、スパイ防止法は戦争キャンペーン法となるでしょう。
 国家情報局は国内向けの、市民監視組織となることでしょう。国が能動的サイバー防御法に基づいて集めた膨大なデジタル情報は国家情報局の下で、市民監視のために用いられる可能性があります。
 今後提出予定の対外情報庁はアメリカのCIAにならった謀略組織となるでしょう。
 外国代理人規制法案、外国勢力活動透明化法案は、国に対する登録なしに海外の人々と政治的、科学的、経済的活動を協働できない状況を作り出すことでしょう。
 戦争反対の声を上げ続け、国民の力で平和を作り出するために、スパイ防止法と国家情報局法案に反対の声を上げましょう。