水田・米政策をテーマに6生協が合同学習会 生産者と消費者で力合わせ政策提言へ 農家を支える政策の実現を(2026年04月27日 第1697号)
輸入米はなんとしても阻止を
講演する作山教授(右)と国枝課長
農水省が進める2027年の「米改革」に向けて、消費者からも声をあげていこうと、4月11日に都内で、6つの生協主催の合同学習会「水田の保全と活用、お米の価格問題を考える―生産者と消費者が共につくる持続可能な農業へ―」が開催されました。
6つの生協は、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、東都生活協同組合、生活協同組合連合会コープ自然派・オレンジコープ事業連合、生活協同組合連合会アイチョイス、グリーンコープ生活協同組合連合会、パルシステム生活協同組合連合会です。
現場の声踏まえ支援策考えよう
開会あいさつを東都生活協同組合の風間与司治理事長が行い、低迷する食料自給率など食と農の危機が深刻化するなか、23年から6生協が連帯して取り組みを開始したことを述べ、25年の「食料・農業・農村基本計画」改定に向けて有機農業の推進や食品表示などの問題で提言を行ってきたことを紹介。その後、令和の米騒動を経て、政府の水田政策や食料の安定供給に不安があるもとで、「飼料自給率や農家への支援策について、現場の声を踏まえて、今日の学習会で一緒に考えよう」と訴えました。
基調講演では「適正価格をどう実現するか?―令和の米騒動と直接支払い―」のテーマで、明治大学農学部の作山巧教授が講師を務めました。
24年の改定「食料・農業・農村基本法」は、理念が総花的で新たな支援策がなく、基本計画は、目標と業績評価指標(中間目標)との齟齬(そご)が大きいと批判し、過剰な生産調整による生産量の不足と需要量の増加で100万トンが不足したことから、令和の米騒動が発生したと分析しました。
米の適正価格をどう実現するかについて、生産調整は「需要の減少→生産調整の強化→相対価格の上昇→需要の減少」という負の連鎖を招くことから、生産調整から直接支払いへの転換で、消費者への利益の増加が納税者としての負担を上回り、社会的利益は増加することを指摘しました。
農水省からは、農産局企画課の国枝玄課長が「米政策をめぐる状況について」のテーマで説明しました。
輸入米に対抗し地域循環農業を
第2部の生産現場からの報告では、茨城県の常陸農業協同組合の秋山豊代表理事組合長が、これからの日本農業のあり方について述べ、家族経営を基本とした集落営農での助け合いによる規模拡大、AI(人工知能)活用による生産性向上などをめざすこと、オーガニック化を取り入れて安価な輸入農産物やフードテックなど人工食に対抗する方向が望まれるとしました。「輸入米は何としても阻止したい」と強調し、そのうえでJAも地域自給圏の創出、環境に配慮した地域循環型の食料供給体制の確立などを目指すべきだと語りました。
山形県のJA庄内みどり遊佐町共同開発米部会、今野修会長は、財務省が飼料用米の取り組みに圧力をかけていることを批判。水田の畑地化、飼料用米削減の動きにあらがい、循環型農業に取り組む決意を述べました。
株式会社フェルマ木須(佐賀県伊万里市)の代表取締役、木須栄作さんは、「食べておいしい、まわりは健やか、みんなが豊か」を経営理念に、「消費者に農業現場の声を伝えながら情報を発信していきたい」と語りました。
産地とつながり農業の未来守る
生協組合員・消費者の視点から、各生協が発言。生活クラブ生協は、生産者の顔が見える産地との交流を進め、「敵基地攻撃能力よりも安心して食べられる食料確保を」と求め、東都生協は、日本の米、水田を守るために「みんなでミーティング」に取り組み、資材高騰で大きな打撃を受けている産地を応援する必要性を訴えました。
コープ自然派は、農水省が奨励する乾田直播(は)や重イオンビームの「あきたこまちR」、ネオニコチノイド系農薬など米を取り巻く問題に懸念を示し、アイチョイスは、米や田んぼのことを生産者から直接話を聞き、農家が地域社会の担い手になっていることなど、農業には価格で測れない価値があることを学びながら、未来の米作りを守っていく決意を述べました。
グリーンコープは、「赤とんぼがたくさん飛ぶ田んぼを増やしたい」という気持ちを込めて、農薬をできるだけ使わない「赤とんぼ米」の取り組みで、安心して食べられ、水田を守る活動を報告。パルシステムは、産地と田植え・稲刈り交流会や生きもの調査などを行いながら、生産の維持、拡大を支えるとともに、飼料用米や子実コーンなどへの支援で、自給率向上につなげる施策を求めました。
閉会あいさつを生活クラブの村上彰一会長が行い、「今日の学習会で重要な視点が示された」と述べ、気候変動や高温障害など米作りが困難になり、安定できる備蓄のためにも、市場任せでなく、国が直接支払いなど農家を支える施策実施の重要性を述べました。
最後に、各生協が学習を積み重ね、生産者と消費者が力を合わせて、できるだけ早いうちに水田政策をまとめ、国に提言していくことを確認しました。

