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日本で種苗2法狙うが…(2026年05月18日 第1699号)

各国では種子と農民の権利を守る法律・条例 イタリアは地方から積み上げて法制化
種苗2法案は廃案・継続審議に
市民が種子施策に参画するしくみを

 今国会で制定がねらわれている種苗法改定案と「重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案(新育苗法案)」の2法案は、日本の公的種苗事業の力をそぎ、ゲノム編集など企業による遺伝子操作を使った種子開発の独占を許し、農民の権利を奪うものになっています。
 一方、海外では国が種苗保護策を行っている事例も多くみられます。インド、ブラジル、フィリピンなどでは国レベルの法律で農民の権利や在来種が明記・保護されており、韓国でも地方自治体の条例による在来種の保全と活用が力強く広がり、農民による種子のシステムが強化されています。(表)
 イタリアでは、種子を守る方法が地方自治体からの積み上げで行われています。トスカーナ州では「在来遺伝資源の保護に関する州法」が1997年に定められました。その内容は、(1)在来種登録簿の創設で重要な地域の種子を認定する、(2)種子を守る農家を認定し、種採り農家へ財政的支援を行う、(3)種子交換・小規模販売を合法化し、種採り農家の所得向上を図る--などです。トスカーナ州法の成功を受けて、イタリア全20州のうち14州が同様の州法を制定しました。
 こうした地方からの動きがイタリア中央政府に波及し、「農業及び食料分野における生物多様性の保護と価値向上に関する法律」が2015年に制定されました。
 それによって、州ごとの制度を国が認定し、全国化することで、種子保全農家の全国ネットワークが構築されました。また、在来種登録簿に登録された遺伝資源に対して、誰も知的財産権(特許や育成者権)を主張できないことになり、種苗会社の独占を防止し、農民の権利が守られました。
 こうして、多様な種子が守られ、地域の農業が活性化し、生物多様性と有機農業生産の向上に寄与しています。
 ●種苗2法案に対抗するために
 私たちは、種苗2法案に対抗するために、次のことを求めます。
 〇法案に反対の超党派の声を全国からあげ、継続審議、廃案を求める。
 〇民間企業も「都道府県基本計画」を作成できる、という新育苗法案12条7項を削除させる。基本計画策定には地域農家や市民が参加する協議会での審議とその情報の公開を必須とさせる。
 〇地方自治体の知見が民間企業に吸い取られることを止める(地方議会での議決・条例制定)
 〇地方議会で公的インフラの民間提供を制限する決議・条例をあげる――農業試験場などを民間企業の下請けにさせない。