アイコン 新聞「農民」

福島県農民連が首相官邸前で抗議(2026年05月18日 第1699号)

過酷事故なくせない原発やめろ
データねつ造の点検を全ての原発に
政府・東電要請行動も
帰宅困難地域の切り捨て許さない

首相官邸前で怒りの声をあげました

 福島第一原発事故から15年を迎えた4月23日、福島県農民連は首相官邸前での抗議行動と政府・東京電力(東電)への要請行動に取り組みました。
 根本敬県連会長は浜岡原発の「基準地震動」データの改ざんを受けて「原発企業はこうした隠ぺい・ねつ造を繰り返し処分もない。こんな企業が信用できるか。原発再稼働による再生可能エネルギー(再エネ)の出力抑制で北海道・東北6県の需要分に匹敵する電気を捨てている。原発の利益にしがみついているせいだ」と述べ、原発ゼロ・再エネへの転換を訴えました。

AIが増えても電力増はわずか

 原発なくす静岡の会の酒井政和事務局長も参加し「中部電力は浜岡原発の安全対策の、一番根幹となる『基準地震動』のデータをねつ造した。原子力規制委員会は『新規制基準の適合のみ審査し、安全は保障しない』と断言している。国民の命をないがしろにし、その上に自社の利益を置くような企業に原発を扱う資格はあるわけがない」と訴え、全国で不正の調査を求める運動を呼びかけました。
 午後からの政府・東電要請行動では原子力規制庁が改めて「100%の安全はあり得ない。過酷事故が起こりうる前提で進めている」と明言しました。
 浜岡原発以外でのデータ改ざんの調査については、「原子力規制検査などで各原発に常駐している検査員から、不正の兆候が報告されていない」との理由で拒否。これに対し参加者から「浜岡では内部告発があるまで見抜けなかったのに、きちんと見抜けるのか」と懸念の声が相次ぎました。
 浪江町津島地区の馬場績さんは「津島地区のうち、除染され3年前に避難解除になったのはわずか1・6%だけ。ポストもなければ新聞も来ない。道路の除染、整備と支所前に自販機が一つ置かれただけ。これでどうやって帰れというのか」と現状を突き付け、基本方針を「地域から個人へ」と変更したのは誤りだと訴えました。
 政府が原発再稼働を進める口実にしているのが、「AI(人工知能)の普及でデータセンターや半導体などの電力需要が増加する」ことです。東電は「2024年から30年にかけて東電管内で1%程度の需要増が見込まれる」と回答。参加者は東北大学の明日香壽川教授のグループの試算も示して、「データセンターの需要増はわずかで省エネが進めば全体では需要は増えない。蓄電池の整備への補助など進めば原発などなくても再エネで十分賄えるではないか」と指摘し、エネルギー政策の転換を求めました。