農民連初代代表常任委員小林節夫さんの生涯描く 著書の出版記念のつどい(2026年05月25日 第1700号)
食と農守る運動の発展願い
長野・佐久市
小林節夫さんへの思いが語られたつどい
農民連初代代表常任委員を務めた故小林節夫さんの2025年秋に刊行された『地を耕し、人をつなぐ~農民、小林節夫の生涯』(合同出版)の出版記念のつどいが5月10日、長野県佐久市内で行われ、著者のルポライター、矢吹紀人さんをはじめ、節夫の知人、食と農を守る運動の発展を願う市民らが県内外から参加しました。
矢吹さんは「企画段階で節夫文庫のみなさんから、節夫さんをヒーローとして描かないでほしい。そんなことをしたら節夫さんが墓場の陰から怒りながら出てくる(笑)と言われ、それを胸に刻んで“人間・小林節夫”を書きました」といくつかのエピソードを交えてあいさつしました。
生前の節夫と交流のあったみなさんが次々にマイクを握り、「節っちゃんがここにいるみたいだ」と、時代を共にした闘士たちの思い出を語る顔はうれしそうでした。
農民連青年部もスピーチ
読者の心に「もの言う農民」の灯をともす一冊
小林さんの言葉を青年部Tシャツに
節夫が初代代表を務めた農民連からは、青年部の芦野大地さんがスピーチし、「一箸(はし)でも一口でも国産品を」という節夫さんが残した言葉をTシャツにした思いなどを語りました。
また、節夫が政治家としての道を歩む際、「牛を愛し、牛飼い一本でやってきた節夫が酪農家をやめた。再び牛飼いができるようになるために、牛飼いをやめた」という一節を引用し、「酪農に魅せられ、不条理を前に運動の道へ進んだ私にとって、節夫さんはとても近しい同志のように感じました」と述べました。
さらに「この本は、青年運動家とって道標となる魅力があります。全体を通じて強調されていることは、事実に基づき、現場主義を貫くなかで人々の信頼を得て、仲間を引き寄せる姿であり、運動家として最も大切な『人の心に灯をともす』ことを実践するために大事なことがたくさん込められています。ぜひ、青年農民にも広げていきたい」と決意を語りました。
生前の節夫を知らない若者で、農民連を継承する世代が、本を読み込んで農民運動の先達と教訓から誠実に学び、自分に引き寄せて語る言葉にひときわ大きな拍手が送られました。歴史は未来のために学ぶという言葉が浮かびます。
気軽に寄って語り合う開設の思いが形になる
つどいの前段企画として、山本薩夫監督の「乳房を抱く娘たち」を上映しました。全国初の酪農民によるストライキ(生乳出荷拒否)、佐久の乳価闘争をモデルにした1962年封切りの映画です。仲代達矢が、当時農近協(農業近代化協議会)会長だった節夫の役だと言われていますが、その真偽はともかく(笑)、宇野重吉、市原悦子、大滝秀治、西村晃、加藤嘉、山本圭、菅井きんといった錚々(そうそう)たる俳優さんの若かりし頃の映像は楽しく見られます。
わざわざ視聴に来てくれた研究者や現役世代の姿もあったり、「父親の遺品から当時デモ行進で掲げた農民組合ののぼりを見つけた」と持参してくれた地域の方もいました。
今回の主催は節夫文庫運営委員会です。「節夫の生き方には、いまを生きる私たちや次に続く世代が受け取り、学ぶべきものが限りなくある。残した足跡、残した資料や蔵書を生かし、その考えに触れることができる場所を作りたい。人々が気軽に寄って語り合ったり音楽や学習にも触れあう楽しい場所を作りたい」と文庫開設に向けて話し合った思いが少し形になったつどいでした。
(節夫文庫事務局 湯浅ちなみ)
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節夫文庫(住所・長野県佐久市中込1698)
開館日 毎週土曜日(当面)午前10時~午後4時※来館の際は開館日も含めて要予約。
なお冬季(12月20日~2月末)は休館です。
電話 090(4814)9680(湯浅ちなみさん)、
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