生産現場は深刻事態だ! 燃料、資材が不足・高騰(2026年05月25日 第1700号)
農民連 農業現場の困難解決へ全力
農家に寄り添った災害対策を
大雪で太い幹が折れたリンゴの木
アメリカ・イスラエルのイラン侵攻に伴うホルムズ海峡封鎖などで、原油やナフサの不足から各種資材の高騰・品薄・供給停止が相次ぎ、農業の現場では生産に深刻な影響がでています。
各地からの農家の声を紹介します。
キュウリ資材不足
生産中断の危機
千葉
越冬栽培のキュウリ用ハウスのビニールの入手が困難になっています。5月14日に入荷のめどが立ちましたが、その後の見通しは立っていません。
冬には暖房を使用しますがガソリンスタンドから「11月下旬に重油が必ず入荷するとは言えない」と言われています。重油もビニールも手に入らなければ、キュウリを1本も収穫できないまま生産を中断しなければならず、非常に不安です。
キュウリの出荷用の袋も突然30%値上げされ、箱詰め用の内袋も入手できず困っています。
国はナフサの在庫は十分あると言っていますが、生産現場ではすでに資材不足が起きており、農家は困難な状況に置かれています。
オイル類が不足
情報もなく混乱
北海道
5月の連休の前後にハウスのビニールやマルチなどの資材が20~30%値上げされるという案内が来ています。
また農作業の始まる前の3、4月に農機具のオイル交換を行うのですが、トラクターのエンジンオイルやグリスなども非常に不足している状態です。
機械を修理する農機具メーカーでもエンジンオイルやミッションオイルなどが手に入りません。特にメーカー純正の品質の良いオイルが手に入らず深刻です。
現場では情報も十分伝わらず、混乱と不安を呼んでいます。国はしっかりと情報発信をしてほしい。
果樹の発送資材
の供給も不安定
和歌山
ビニールハウスの被覆材が不足しており、新たに注文しようにも4月末から受注がストップされ、入手が困難になっています。
また、早めに農業用ポリマルチも生産者から注文を取りまとめ発注しましたが、去年の実績ベースでのみ受注を取ることになっています。受注はされているものの、本当に入手できるのか不安を抱えています。
和歌山は果樹の産地ですが、桃の出荷時に使用するフルーツキャップ等も供給が不安定という声も聞いています。柿の脱渋に使う二酸化炭素も同様です。
ビニールハウス、果樹のかんがい設備の敷設に使用する塩化ビニール管の入手も不安定、または入手困難となっています。今期も夏の猛暑が予想され、その対策のための材料がないのは生産を不安定にさせてしまいます。
今年1月末から2月初めにかけての大雪で、各地でリンゴやかんきつ類の被害が発生しました。
ミカン大雪被害
県は実態調査を
神奈川
神奈川県農民連は2月の大雪被害の調査と支援を求めて県に要請を行いました。県内3農協のうち被害調査を行ったのは足柄農協のみで、それも50%程度しかされていません。
しかし県は大雪から2カ月以上経過しているので、今から調査する気はないという、農家を守る気がない回答でした。
大雪被害がなくてもみかん農家は離農が進み、周囲が離農すれば自分だけ続けていくというのは通路の維持などから難しいのが現状です。県は積極的かつ迅速に農業現場の被害に対応するよう、姿勢の転換を求めていきたい。
2年連続の雪害
苗木支援強化を
青森
2年連続の大雪となった津軽地方では、リンゴの木が雪の重みで折れ、植え替えが必要になるなど、大きな被害が出ています。岩木山麓では多くの農家が4割~5割ほどの被害を受け、なかには再建が不可能なほど大きな被害があった農家もいます。
植え替えに必要な苗木も供給が不足し、なかなか入手できない状況です。
生産者は自ら苗木を育てていますが、雪害対策の改植や果樹優良苗木確保対策事業では対象外となり、さまざまな支援が受けられません。ぜひ自家栽培の苗も対象として認めてほしい。苗木の問題は喫緊の課題です。国は早急な対処をしてほしいです。

