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ブドウ・桃などに降雹大被害(2026年06月01日 第1701号)

福島県北部に
ブドウの枝・葉ちぎれ桃の果実には穴・傷
“収穫はもう絶望的”
今年は霜害に続き強風でハウス破損…そして今回の雹害
この先、見通せない
福島県北農民連が現地調査

桃の被害を説明する後藤さん

桃は絶望的と話す菅野さん(右から2人目)

くっきりと雹の跡が実についています

カボチャ苗を見つめる佐藤巴胤さん

 5月13日に各地で雹(ひょう)が降りました。とくに福島県北部では激しい降雹で農作物に大きな被害が発生しました。農民連本部災害対策部は5月16日、福島県北農民連の服部崇事務局長と現地調査を行いました。

植え替える必要 収穫は5・6年先

 桑折(こおり)町の果樹農家、後藤益男さん(73)は桃とブドウが大きな被害を受けました。「20分ほど雹が降り続き、雨よけハウスの支柱の周りなどに2日後まで積もっていました。桃1・5ヘクタールはほぼすべての果実に被害、ブドウ70アールも雨よけハウスのなかった35アールが枝、葉がちぎれ飛ぶ被害を受けました。今年は霜の被害があり、強風で雨よけハウスも飛ばされ、さらに雹です」と大きな被害に肩を落とします。
 「桃の実は多くに雹の当たった傷がついていますが、成長するまでは被害が分かりません。訳アリ品として出荷できるか、ネクター用に回るか。正常な果実はわずかでしょう」
 ブドウは雹にたたかれて枝や葉が折れる大きな被害で収穫は絶望的です。来年以降も収穫は厳しく、植え替えが必要になりそうです。「ブドウは植え替えても3年後くらいまで収穫はできません。収量が期待できるようになるには5~6年かかります」

被害を受けても防除作業続ける

 後藤さんは収入保険に入っていますが、支払われるのは来年の6月頃になってしまいます。「残った半分のブドウとわずかなお米が今年の収入のすべてです。来年の準備もあり、どうやって生活をしていけばいいのか。貯金を切り崩していくしかないのかな」と話すように、つなぎ融資など、資金繰りの支援が求められます。
 被害を受けた後藤さんですが、防除など日常の農作業は続ける必要があります。「来年のために桃が病気にならないよう防除作業は続けなければなりません。雹がここまで降ったのは初めてで対策の仕方もわかりません。収入も半分以下になり、先が見通せないのは厳しいです」と話していました。

実のなる桃は全くなさそう

 伊達市梁川町の菅野雄一さん(48)は桃1ヘクタールすべてがほぼ全滅し、50アール栽培している野菜にも被害がありました。
 「10分程度の短時間でしたが、パチンコ玉サイズの大粒の雹が降り、15センチメートルほども地面に積もりました。淡い期待をもって実を確認していますが、まともに実がなりそうな桃は全くなさそうです」と肩を落とします。
 桃の果実には、下から雹が吹き付けたような跡もあり、当日の大気の不安定さが垣間見えます。
 野菜にも被害が出ています。枝豆の苗を準備していたのですが、雹に当たってダメに。「枝豆は直まきで準備すれば何とか間に合うかもしれませんが、ナスなどの夏野菜は間に合わないでしょうね」と話します。
 菅野さんは白色申告で川沿いの一部のみ果樹共済に加入をしていました。「台風被害で桃の木が泥に埋もれたので、川近くのものには共済をかけていましたが、こんな雹被害にあうとは思わず、ほかの畑では共済をかけていませんでした。そもそも収入保険の制度自体も知りませんでした」
 同じ地域には、掛け金負担から収入保険に入らない選択をした農家もいたそうで、制度の告知や白色申告への拡大、掛け金負担の軽減などが必要です。
 服部事務局長は「加入年度の掛け金支援を県も行っている。青色申告対応を含めて一緒にやっていこう」と声をかけ、被災した農家を支える決意です。

被害把握に努め政府に支援要請

 同じ梁川町の野菜農家、佐藤巴胤さん(43)、紫苑さん(40)夫妻の畑も被害を受けました。「メインのイチゴときゅうりはハウス栽培なので被害は受けませんでしたが、直売所出荷用の路地野菜は雹に打たれて被害を受けました」。ホウレンソウには穴が開き、3日前に植えたばかりのカボチャの苗も雹と雨に打たれて倒れています。
 服部事務局長は「ホウレンソウは訳アリ品として、産直カフェで販売するよ」と販売を通した支援を約束しました。
 降雹被害の場合、国の支援制度は果樹の改植事業と収入保険くらいしかありませんが、収入保険は青色申告が条件になっおり、白色申告者は受けられる支援がなくなってしまいます。
 服部事務局長は「何としてもここを突破し、白色申告の収入保険加入を認めさせたい」と話します。農民連本部は各地の被害把握に努め、農水省に支援を要請していきます。雹被害が発生した事例がありましたら、ぜひお知らせください。