旬の味(2026年06月08日 第1702号)
物価高の中で、農家も外国人材も苦しい。農業の現場では今、「人がいない」という問題だけでなく、「雇いたくても支えきれない」という苦しさが広がっている▼米や野菜、電気代、ガソリン代…。加えて肥料、飼料、農薬、燃料費、資材費--。農業に必要なものは、この数年で驚くほど値上がりした。「野菜が高い」と言われても、農家の収入が増えているとは限らない。むしろ経費の増加分を吸収できず、利益は減っているケースも多い。そこへ人手不足が重なる。受け入れる農家側もまた、厳しい現実の中にいる▼それでも、一緒に畑で汗を流していると、「雇う側」「雇われる側」という言葉だけでは表せない関係になることがある。暑い日も寒い日も共に働き、収穫の喜びを分かち合ううちに、少しずつ“仲間”になっていく▼必要なのは、どちらか一方だけに我慢を求めることではない。農家が続けられること。働く人が安心して暮らせること。その両方が守られる仕組みを、社会全体で考える時代に来ている。(み)

